公式連載

公式連載

2017年06月26日(月)

還暦を迎えて

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 数年前に父親が亡くなってから、老衰と死を常に意識するようになった。加えて、妻が老人保健施設で働いている関係上、生々しい老人問題の話を聞く機会が多い。こんな年寄りばかりになってしまって日本は大丈夫だろうか、なぜ政府は少子化対策にもっと真剣に取り組まないのか。日本人は自分が老いることに準備をする人はほとんどいないと思う。日本人はもっと、いかに老いるべきか、いかに死ぬべきかを考え議論するべきではないのか、そのために海外の先進国に倣って若い時からしかるべき教育をするべきではないのか、云々。

2017年06月25日(日)

トキメキ・シーケンシング

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いわゆる「次世代シーケンサ(NGS)」が使われはじめたのは、およそ10年前のことでした。その当時所属していた研究室でも、「なんだかスゴイ機械がでてきたらしい!」といって、早速興奮気味に勉強会が開催されたことを覚えています。初期のNGSである454がリリースされた2005年に私はまだ学部生で、実際にNGSを使って研究するようになったのはさらに数年先のことでしたが、それまで基本的にデータベースに登録されているシーケンスデータを用いてバイオインフォマティクス解析を行っていた私にとって、自身でデータを取得するところから研究を始められるということはパラダイムシフトでした。

2017年06月16日(金)

スタートライン

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 初めて化学物質による環境汚染を指摘した古典的名著、「沈黙の春」が出版されてから既に55年が経過しました。執筆者であるレイチェル・カーソン女史はその中で、人間の合成殺虫剤、除草剤の過度の使用に警鐘を鳴らしただけでなく、その解決策についてまで言及しました。この中で”生命の一番小さな単位−細胞と染色体を見つめることによってこそ、神秘を見抜くに必要な、もっと広いヴィジョンを見出せるといっていい”と述べています。

2017年06月14日(水)

Passport to the Future

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 つい最近、パスポートの有効期限が切れている事に気がつきました。慌てて申請手続きを済ませ、使えなくなった古いパスポートのスタンプやビザをパラパラと眺めていると、10年前の記憶がよみがえってきます。パスポート取得日は2006年10月。私がポスドクとしてアメリカに渡る直前に更新したものです。思い起こせばその翌年の2007年は、これまでの人生で一番タフな一年でした。

For all of us up here, it's a huge honor to put this uniform on every day and come out here and play. And every member of this organization, past and present, has been calling this place home for 85 years,"  "There's a lot of tradition, a lot of history and a lot of memories. Now, the great thing about memories is, you're able to pass it along from generation to generation.

これは2008年、旧ヤンキーススタジアム最終戦の試合終了後のこと、ヤンキース主将ジーター選手が、突然マイクを持ってファンに語りかけた言葉の一部です。10年前の2007年はちょうど、私にとっては夢のような場所、歩いて通える世界最高峰のサイエンス倶楽部、ロックフェラー大学、あと、地下鉄に乗ればヤンキースタジアムというニューヨークシティー(NYC)にて、博士研究員をしておりました。この両者には、歴史と伝統が醸し出す厳しさの中にも暖かみのある”Home”のような空気感、なんとも言えない五感を研ぎ澄まされるような心地よさがあるという共通点がありました。

2017年05月30日(火)

Spheroid10年いまむかし

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Pink Floyd繋がりというわけでもないですが、同じく英国のバンドThe Policeが1983年にリリースしたシンクロニシティという有名なアルバムがありまして、これを初めて耳にしたのは厨二病真っ盛りのころ。しょっぱなのSynchronicity IのA connecting principleから美しく韻を踏んだサビの部分の難解な歌詞は中坊にとってはまさに猫にマタタビで、意味は良くわからないけれども世の中の真理に触れたようなプチ悟り状態、ヤクザ映画を見た後に肩で風を切って歩きたくなる症候群にかかってしまったのはちょっと恥ずかしい遠い思い出です。

2017年05月29日(月)

10年目のピンクフロイド

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 息子の理科の教科書をめくっていたら、次のような文が目に入ってきました。“月の公転と自転は同期しているため、地球から月の裏側を見ることができない・・・。”なかなか魅惑的な響きです。そういえば、月の裏側に作られた秘密基地が登場する空想小説があったような・・・

 さて、月の裏側と聞いて、別の理由で幻惑されたのは、きっと私だけではないでしょう。そんなことを書いていたら、頭の中をピンクフロイドのDarkside of the moonのメロディが流れ始めました。ロック音楽史上燦然と輝くこの名盤は、1973年にリリースされて以来、15年にも渡ってヒットチャートにランクインし続け、プログレッシブロック(プログレ)の代名詞にもなっています。私がこの音楽に出会ったのは、高校生の頃、毎日欠かさず立ち寄っていた中古レコード店で、ようやく手に入れたLP盤ジャケットを大切に抱えて、いそいそと家に帰ったことを覚えています。ピンクフロイドとの初遭遇でした。それ以来、この音楽はいつも私の周りにありました。

2017年03月27日(月)

あたらしきもの

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本領域も折り返しですが、前の領域に引き続き、関係をさせていただいておりま す。領域代表の廣瀬先生、何かとお世話になっております中川さん、共同研究をさせていただいている泊さんを初め、様々な方にお世話になっており、大変感謝しております。本領域の印象は、レベルの高さでしょうか。班会議で毎回刺激的な発表を拝聴し、刺激を受けております。(泊さんとの共同研究についてはこちら: https://ncrna.jp/blog/item/256-tadakuma-san)

2017年03月21日(火)

一細胞データ、一分子データ

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この新学術の公募研究に採用されたことをきっかけに幾つかの共同研究のお誘いを受け、色々と貴重な経験をさせていただいた。NGS解析を担当するものが多かったが、その中でもPARISデータの解析は興味深かった。PARISは、RNAのどの領域とどの領域が水素結合しステム形成するかを、ハイスループットに計測する。データを見ると、互いに矛盾するステム構造が沢山検出されることから、同じRNA分子であっても、細胞中でとる二次構造は様々であることがよくわかる。PARISデータは、他の多くのNGSデータと比べて、遺伝子レベルよりも情報が細かく一分子一分子の物理的存在が感じられるデータとなっている。

2017年03月07日(火)

恩師の言葉

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大学院時代の恩師から、言われた言葉を今でもよく覚えている。「遺伝学は観察から始まる。とにかく毎日マウスの世話をよくし、観察を続けなさい。どこに注目するか?そこから新しい発見ができるか?それが君の研究者としての能力であり、個性が出るところだ。」

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