2016年11月18日(金)

Cell symposium: Functional RNAs 2016参加レポート

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東京医科歯科大学、システム発生・再生医学分野の田中陽子と申します。領域からの若手フェローシップをいただき、11月6日~8日にかけて中国(広州)にて開催されたCell Symposium: Functional RNAsに参加・ポスター発表してきました。広州市は人口が1000万人を超える大都市ですが、ホテルに缶詰め滞在だったため、街はあまり満喫できずに帰ってきてしまいました。いつかもう一度観光に行きたいです。滞在中は外務省から「大気汚染に関する注意喚起」がメールで届いた通り、ホテルからの景色はいつも霞んでいました(写真)。中国は秋~冬季にかけて大気汚染が発生するようです。

会場はと言いますと、繁華街からは少し離れたLANGHAM PLACE GUANZHOUという素晴らしいホテルでした。発表者以外はほぼ中国の研究者と学生で、こんなに中国の方が多い会議は私自身初めてでした。私が日本人だと分かると、「日本から来たの!?」と気軽に声をかけてくれます。また、私が発表した内容に含まれるADAR(adenosine deaminases acting on RNA)という分子はRNAに含まれるアデノシンをイノシンに変換する酵素ですが、この分子に注目している方々からたくさんの意見をいただくことができました。デジタルネイティブの中国っ子たちはタブレット端末で自分の次世代シークエンシングのデータを確認しながら私の発表にコメントしてくれたり、研究仲間と楽しそうに参加していたのが印象的でした。

Invited speakerは中国在住のLing-Ling Chen先生、ノーベル賞受賞者のCraig Mello先生など、たくさんの著明な先生方が発表されていました。私は関節リウマチという疾患の研究を始めてからRNAの世界に少しずつ浸り始めたので、RNAの世界はまだ知らない事だらけで色々な話が拝聴できるのはとても楽しいです。ポスター発表の中でのお気に入りはインドのM. Bose くんの「Dicer-dependent target-driven biogenesis of cognate microRNA in human cells.(Nat communication, 2016掲載)」でした。内容が複雑で、本人もインド人独特の早口なため、一度聞いただけでは内容をすんなり受け入れられませんでした。「(miR-122特異的な反応のようですが)本当にそんな風にmiRNA生合成が制御されてるの!?そういう方法で確認するのね!?」と私一人でズッコケておりました。

子どもを出産してからはゆったりとした気分で海外学会参加できなくなりました。自分の学会準備だけではなくなるからです。「ママがいい!」という年齢の子どもがいると、出発時のお別れが辛いですし、子ども関連のスケジュール対応や夫との調整など旅日程はギリギリスケジュールです(笑)。我が家の場合、私が3日ぐらいの出張する場合は夫一人で頑張ってもらっています。平日3、4日を超える場合は祖父母の応援を頼みます。今回は長女の小学校登校班指導の当番が当たってしまっていましたが、夫がこなしてくれました。感謝。次女が小学校に入学したら、もうちょっとゆったり日程で学会参加できるかな??

最後にRNAタクソノミの皆様と、日頃研究を支えてくれている方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。

田中 陽子

東京医科歯科大学、システム発生・再生医学分野。
日本学術振興会、特別研究員。
関節リウマチ、microRNAに関して研究してます。

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