2019年02月21日(木)

RNA Neobiologyレポ

投稿者: 栗本遼太

東京医科歯科大学システム発生再生医学分野 助教の栗本遼太と申します。RNA研究歴は非常に浅いのですが、今回第20回武田科学振興財団生命科学シンポジウムに伺う機会に恵まれました。万博記念公園や国立循環器病研究センターのすぐ近く、大阪七尾で行われました。

第20回武田科学振興財団生命科学シンポジウム(2019年)RNA Neobiologyでは、普段pubmedで追いかけている国内外の著名な、錚々たる先生方が集まり、2日間という期間があっという間に過ぎていくとても貴重なシンポジウムでした。全て先生方が論文として未発表のdataも惜しみなくご提示下さり、RNA研究のfront lineを肌で感じることができました。

初日は、オーガナイザーでいらっしゃる塩見先生、稲田先生の御講演がありました。はじめのセッションでは、北川先生からchromosomal segregationの際のダイナミックな画像を見せて頂き、chromosomal segregation とRNAという新しい世界を見せて頂きました。PAR-CLIP で有名なThomas H. Tuschl先生からは、2017年のNat CommunのZNF598とubiquitinationのお話がありました。Nahum Sonenberg先生からは、有名なeIF4Eを軸に、RNAの翻訳開始制御の最前線のお話を伺いました。1日目の最後には、Nature誌上の15年に渡るRNA研究をreviewして頂き、一つの雑誌上でRNA研究の歴史を追うことができるというのは改めて凄いことだと実感しました。

2日目は、前半にRNA chemistry、biology、後半にはphenotypeやtreatmentに繋がるご講演が主体となり、RNA研究に携わる先生方の裾野の広さを感じました。鈴木先生の先日のScience(Cap-N6-methylation)や、Narry V Kim先生の昨年のScience(mixed G tailing)、Howard Y. Chang先生のcircRNAといった革新的なお話が非常に印象的でした。

ポスターセッションやレセプションでも様々な先生方とお話する機会があり、非常に濃密な2日間を過ごしました。Narry Kim先生と一瞬だけご挨拶する機会も頂き、緊張してお話もロクにできない状況でしたが、これからの研究のmotivationを上げるのに十分な時間でした。このような機会をご提供いただいた先生方、武田製薬の皆様、本当にありがとうございました。お会いできた先生方とまたRNAタクソノミでお話できることを楽しみにしております。

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