2014年11月22日(土)

MBSJ 2014 & 16th Tokyo RNA Club

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今年もやってきました。冬の風物詩、分子生物学会です。ノンコーディングRNA関連のシンポジウムやワークショップをちょっと拾ってみますと、あるわあるわ、、、

[3S1] 非コードRNAの分子生物学とその応用

塩見(美)さん企画のシンポジウム。CRISPR/CAS9あり、HITS-CLIPあり、テクノロジーだけでなく重厚なトークもあり。当領域からは美喜子さん、浅原さんがトークをされます。Jennifer Doudnaさんも注目です。基本構造生物学ベースの仕事をされていますが、今回はタイトルからするとCas9がssRNAを切る、という最近の話が中心でしょうか。モデルさんかと思った。。。


 

[1W10] 機能性RNA分子研究の新展開

 理研でRNAの構造解析をされていて最近武蔵野大に移られた武藤さんと、線虫のncRNAをやられている弘前大の牛田さんオーガナイズのワークショップですね。構造の話とか、新規ncRNAの話とか。

[3W3] ノンコーディングRNAによる細胞内プロセス制御

 後で詳しく。じつはメインオーガナイザーの石井コウジローは同級生でして。大学院のころは彼は酵母の細胞周期、僕は多細胞生物の細胞接着。研究テーマは全く別でしたし、ソフトボールやら花見やら、要は飲み会でやらしか接点がなく、一生研究テーマがニアミスになることすらなかろうと思っていましたが、まさか同じワークショップをやることになるとは、、、

[3W15] クロマチン・染色体・細胞核のダイナミクス

核内構造体、エピゲノム、クロマチンあたりキーワードの話が満載ですね。おなじみXistの佐渡さんとか、弥勒菩薩の大杉さんとか、胡桃坂さんとか、小布施さんとか。いつもながら微妙に失言。。。

エピゲノム関連はncRNAと繋がる話も多いのですがあまりにも多いので、割愛!

ちなみに今回はワークショップのスピーカーが全員ポスター発表をするということになっていますから、ポスター会場はかなり豪華な面々になりそうです。さながらPI品評会、、、ちなみに私、3W15がらみのポスターセッションのディスカッサーなるものに当たっておりまして、このメンツの方々のポスターを回ってディスカッションするというのは、緊張するというか、なんというか、なにより時間が全然足りなくなるだろうなということで、シニアな方はすっ飛ばして学生さん中心に回ることになりそうです。

で、[3W3]の海外ゲストの紹介です。

まずはイスラエルのWessman InstituteのIgor Ulitskyさん。

 Unitskyという名前を見てピンと来る方はだいぶncRNAマニアですね。2011年にDavid Bartel研のポスドクをしていた時に出したこの論文業界内ではなかなかのインパクトがありました。バイオインフォマティックスの手法を駆使してRNAseqデータからlincRNAを片っ端から見つけ、さらにいくつかについては実際に個体レベルでの機能解析を綺麗に行っていたとても印象的な論文です。MOでノックダウンしたゼブラフィッシュがシラノ・ド・ベルジュラックみたいな顔になるのでCyranoと名付けた遺伝子の話などは、記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。僕はIgorさんはCyranoのイメージが強くて、てっきりゼブラフィッシュの発生屋だと思っていたのですが、じつはバイオインフォが専門なのですね。なかでも得意なのは進化の話。今年の初めにサンタフェであったKeystoneの懇親会でMalat1とNeat1の進化について滔々と語ってくれたのがとっても印象に残っています。今回、どんなネタで話をされるのか、とても楽しみです。

お次は中国のLi Yangさん。

このかた、一部の人の間ではとっても有名人のLingling Chenさんの旦那さんです。LinglingさんといえばGordon Carmichaelさんのところで逆位に挿入されたAluによる遺伝子発現制御やらNeat1の機能解析やらの仕事をバシバシやられていた新進気鋭の研究者で、数年前にカナダであったRiboclubではあどけない顔のおねえちゃんという感じでしたが、今や母国で押しも押されもせぬfull professor。最近は夫婦の共著もバンバン出していますが、LinglingさんがMolecular Biologyの実験。Liさんがバイオインフォ。これもう最強のコンビです。今回はつい最近論文になったcircular RNAの話を主にされるはずです。

また、上記の方々を含め、今回分生に来日されるRNA関連の研究者が一堂に会するTokyo RNA Clubが開催されます!

スピーカーは超豪華。これ、ひょっとしたら分生の年会よりも密度が濃かったりして、、、とはいえ、彼らが来日を快諾してくれたのも、分生のスケールメリットのおかげです。この手のコバンザメミーティングというのは、やはり便利、というか有用ですね。学生のみなさんも、若いポスドクのみなさんも、もちろんおっさん研究者もおばちゃん研究者も、ぜひぜひ、おいでください。もちろん当日の参加も可能です。

と思ったら、事前の登録が必要とのことでした。参加フォームはこちらから。うーむ。いい加減な情報を垂れ流していやになりまする。でも、これ、参加の締め切りとか書いてないですよね。会場に入ってから申し込んでもいいのかな。でも、主催者側としてはなるべくたくさんの方に来ていただきたいですし、ぜひお越しください。

中川 真一

北海道大学 薬学研究院 教授
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