2017年02月10日(金)

予期しないことの連続

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STATaとdutA RNA STATaとdutA RNA 失敗作ですが、意味もなくカラフルにしてみました。

私立大学の入試が立て込んでいるクソ忙しい時期に素敵なお題「領域前半を振り返って」というプレゼントをいただきました。でも、前半の総括というのであればこの時期しかないですね。

2年間を振り返ってみると予期しないことの連続でした。

研究者であれば誰しも自分の研究を面白いと思っているはずです。それを推進したい、多くの人に知って貰いたいと誰しも思っているはずです。ですが、自分の置かれている立ち位置も分かっているはずです。限られた予算、戦力、スペース、設備でコンスタントに仕事をしようとしても、それなりの限界はあります。

そんな折、「何々、新学術領域で『ノンコーディングRNAネオタクソノミ』なるものをやっているぞ。」「『生物個体を用いたncRNAの生理機能研究』お〜、これこれぴったりじゃないかー!」と詳しくどんな人たちが主催しているのだろうと見ていくと、、、世界的に名の知れたRNA研究者ばかりで、こっちはRNAに関しては素人同然。しかも、間違っても「若手研究者」のカテゴリー(タクソノミー)には入らない。でも、出さないと採用されないし、自分ではやっていることが面白いと自惚れている。と、結構不順な動機で応募させてもらいました。もちろん、採用されるなんて全然思っていませんでしたので、応募したことすら忘却の彼方。。。

ところが、「採用通知」の知らせ。そういえば、応募していたんだった。本当のところどうしよう、こんな小さなラボでしかもメインのテーマは別にやっているのに、出来るのだろうか?というより、もうやるしかない。腹をくくります。卒研生と協力して必死にノックイン株を作りました。予定外に早くできたと思います。作動エレメント同定のためのdeletion RNA発現株も次々に出来て行きました。

一方で、今までの解析だけでは不十分と感じてRNA FISHの講習会に参加させていただき、超高解像顕微鏡の恩恵に預かったのはとても貴重な体験でした。中川さんの熱い想いに触れたこと、研究はこうでなければいけないと改めて思い起こさせて頂き感謝致します。今でもこの時に習得したRNA FISHは貴重な手法として我々の研究で威力を発揮しております(まだ発揮していないという指摘もあるが、、)。

そろそろデータをまとめて論文にしなければという段階になって、??というデータが出てきたので、詳しく調べていくとこの場に及んで過去の論文や細胞性粘菌のcDNAプロジェクトのデータベースが間違っているということに気がつきました。さらには、転写産物の長さも複数あり、組織によって長さが違うとか。間違っている部分については今からやり直しです。講習会で使ったprobeは正かったのでそれだけはホッとしていますが、予期せぬ事態です。

講習会やニセコでのフロンティアミーティング、TOKYO RNA Clubそれに班会議、今まで知らなかった人たちと知り合いになり、全く知らなかった基礎知識を教えて頂きRNA研究の歴史を垣間見ました。

まだまだRNAの世界では新参者で不勉強ものですが、今まではどのようにRNAの研究を推進していったら良いのかそれすらわからなかったのが、この2年間に少しは方向性が見えてきた気がします。この2年間本当にお世話になりました。これからもこの仕事は続けて是非とも発展させたいと思っていますので、皆様とは学会等でお会いできると思います。その際には色々と討論していただけたらと思います。無理矢理この仕事に引き込んでしまった大学院生の嵯峨さんと橘髙くんにはこれからも引き続きご迷惑をかけますので、そのつもりで。

ちなみに、この2年間で最も印象に残っている出来事は、以前にも書きましたが、新木場駅のコンコースで中川さんと座り込んで粘菌を眺めて話し込んでいたことです。誰が見ても怪しいオッさん達でした。

川田 健文

東邦大学 理学部生物学科 教授
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