2015年08月26日(水)

街歩き ・ と ・ らぼ歩き

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kuroyanagi in front of UNノンコーディングRNA、正直まだピンとこないのですが、ここではこれまでの経歴を簡単に紹介をさせていただきます。中川さんの勢いに着いて行けるように!(写真は近影、NYにて)

10年とちょっと前から今のポジションで、本領域の研究課題に直接つながる線虫を用いた転写後プロセシング制御機構解析のしごとを始めました。改組があったり、ボスだった萩原正敏さんが京大に転出したりで所属は何度も変わり、引越も2度しましたが、実質的には、まぁ変わらない・・・というところでしょうか。ラボのやっていたことと自分のやりたいこと、自分のそれまでの経験がうまくマッチして、アイデアを自由に実行できているのは、ホントによかったと思います。

その前は、同じ医科歯科大の医学部の組織学教室にいました。ヒトや哺乳類の全身の組織切片を観察する学生実習を通じて、実際に組織や細胞の形を観る経験を積むことができました。二光子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を実際に扱えるようになったのですが、撮りためたデータを保管していたハードディスクがクラッシュして中身をすべて失う経験をしました・・・
このころWindowsに乗り換えました。

その前は製薬会社の研究所にいました。とは言っても、社内で「ナショプロ」と呼ばれた部署で、社内での立場も微妙、なにかとビミョーでした。いわゆるポスドク1万人計画の一角だったと思います。

博士課程では、東京都立老人総合研究所(当時)の白澤卓二さん(現順天堂大学)のところで3年間を過ごしました。平日の週5日、朝8時半からミーティングで、全員が前日の結果の報告と当日の実験計画の具現化、その後1人が論文紹介、昼過ぎに終わったら、ボスも含め毎日全員で外食、しかも毎日同じ駅前のスパゲッティ屋、その後みんな終電まで実験、もちろん土日も実験。そんな生活を2年くらいしました。現役臨床医を中心に大学院生が5人くらいいましたが、実験をしたことがない臨床医が病院勤務もしながら2年で博士号が取れるようにと効率を優先して編み出した、みんなでフォローしながら多数のプロジェクトを並行して進めて行くというスタイルです。「臨床研修に比べたら苦痛ではない」という臨床医のパフォーマンスに感嘆したものです。呼吸器内科、整形外科、腎臓内科、耳鼻科など専門もまちまちで、それに合わせてラボでのプロジェクトも多様、臨床系も含む論文紹介では実験方法まで細かく吟味して、使えるものはプロジェクトに反映させ、ラボの全体を常に把握しながら研究を進める運営を通じて、単身ではできない多くの実践を疑似体験できたと思います。
当時は科研費でパソコンを購入することが制限されていて、自腹でMac G3と11インチ液晶モニタ(合計40万!)を買ってラボに置いていました。

修士課程ではふらふらしていて、2つの研究室を行ったり来たりして過ごしました。いわゆる「Molecular Cloning」の基本を学びました。アメリカ人の先生に、アメリカの大学院生でももっとラボで長時間を過ごす、と言われたもので、その数値が今でも基準になっています。ラットの脳の各部位からRNAを採り、ファミリー遺伝子の断片を片端からクローニングしてはノザンブロットする、というようなことをしていました。
ラボには共通Macとプリンタが1組程度しかなく、みんなで順番待ちをしながら使っていました。

Real FISH卒業研究は、故井上康男先生の糖鎖生化学の研究室でした。卵を産むような大きいニジマス数十匹を水産試験場にもらいに行って糖鎖を精製し、それを炭素源として特定の糖鎖結合を切断する当時未発見の酵素を産生する可能性のある微生物をスクリーニングして同定し、酵素の誘導条件を探って、大量培養液から酵素の粗精製と特徴評価を行いました。DNAやRNAに一切触らないで1年間を過ごしましたが、さまざまな実験系をひととおり体験できて、いま振り返ればそれが本領域での研究課題にも通じています。
当時は大学生協仕様のワープロ専用機を使っていて、電子メールは総合図書館の端末に行かないと使えない状況でした。

結果的に、多くの研究室を渡り多くの人と一緒に仕事をしました。(当たり前ですが)どこへ行ってもサイエンスのロジックが共通で、周囲とストレスなく意思疎通できると身をもって体験できたことは、この業界に居続ける上で大きなプラスの要素になったと思います。理不尽あるいは不可解な事件を見聞する昨今ではなおさら・・・

黒柳 秀人

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 准教授
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