2016年09月06日(火)

その場しのぎの技

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 技と言われて、ここのところの懸案を。

 私は、コンピューターの上での仕事が多いにも関わらず、未だに結構古いOSのマシンを使っています。

 自分なりの設定が多かったり、今のユーザーインターフェースに慣れきっていたり、動かなくなるものがあるなど、新しい環境を立ち上げ直すのが大変というのが理由です。ただインターネットのご時世、ネットの他のシステムに依存しているソフトが動かなくなったり、ブラウザで開かせてくれないページが出てきたりと、このところ不都合を感じることが多くなってきました。

 こういう場面に出くわすたびに、あなたも私を見捨てるのねと悲しい気持ちになり、そろそろ潮時かなと思うのですが、その場しのぎの解決法 (firefoxならまだ見られるとか)を見つけては、なんとかなっています。おかげで、例えば見たいページによって3つのブラウザを使い分けるというような、どうでもいい技ばかりを身についてきて、ますますmainstreamから置いていかれています。

 ちなみに、最近見捨てられそうになったのはEntrez geneのページで、遺伝子のエキソン構造やゲノム上での位置関係などをみる"Genomic regions, transcripts, and products"の欄がChromeとSafariで見えなくなりました。私は、自分の興味のあるタンパク質のホモログの種間のアライメントを眺めながら、機能を想像したり、次はこの辺に変異を入れたり削ってみようと考えるのが昔から好きでして、そのため、いい感じで進化的に離れた種からホモログを集めてくる、ということをやっています。しかし遺伝子構造の予測の精度が非常に上がっているとはいえ、データベース上のアミノ酸配列が全長でないということが、まだまだあります (ヒトでさえ)。そんな時、重宝するのが、先ほどのEntrez geneの欄で、特に今はRNA-seqの情報がうまく取り入れられていて、遺伝子のannotationとは別にexon-intron構造を見ることができるので、annotateされていなかったり間違っている遺伝子構造を見つけて、修正するのに愛用しています。

 まだまだ懸案は続きそうです。キラーアプリが出れば、システム刷新するんですが。例えば、使っている人の思考を学習して、はかどらない仕事を終わらせてくれるものとか。

長尾 恒冶

北海道大学 先端生命科学研究院 講師
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