2019年01月19日(土)

A Game for Lab Meetings: Are You a King?

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このような経緯で、「人狼ゲーム/汝は人狼なりや? (Are You a Werewolf?)」にインスパイアされ、ラボミーティングのためのオリジナルゲーム「汝は王なりや? (Are You a King?)」(仮称) を考えた。

▶ 基本ルール
カードを引いて、ランダムに赤・黒2チームに分かれる。それぞれのチームには、「王」が1人いるが、それが誰なのかは分からない。「王」は、ミーティング中のどこかで、必ず1度は質問をしなければならない。最後に、それぞれのチーム内で相談し、相手チームの「王」が誰なのかを予想する。相手チームの「王」を当てたチームが勝ち。

▶ How to Play
Attendees are randomly split into two teams (red and black) by drawing cards. The one who has got a “K” card becomes the “king” in each team, but his/her identity remains anonymous. The king must ask at least one question during the meeting. Others are also encouraged to ask questions, which help their own team to mystify the identity of their king. At the end of the meeting, each team discusses who the king might be in the opposing team. The team that has successfully identified the king in the opposing team wins.

▶ 用意するもの
トランプ1セット

▶ 具体的な流れ
1. チェアはミーティング出席者の人数を確認し、発表者2名(プログレスレポート、ジャーナルクラブそれぞれ1名)を除いた人数分のカードを準備する。この時、赤と黒のカードは(できるだけ)同数になるようにする。また、それぞれの色のカードの中に、1枚ずつ「K」を入れておく。
2. カードを配る。各自、配られたカードを、他の人に見られないように確認する。「K」を引いた人が、そのチームの「王」となるが、最後まで(同じチームの人に対しても)正体は明かさない。
3. 席を移動し、赤と黒のチームに分かれて座る。発表者2名は中立なので、真ん中あたりに座る。
4. 普段通りミーティングを行う。ただし、各チームの「王」は、必ず1度は質問をしなければならない。
5. ミーティングの最後に、各チームで集まり、1分間、相手チームの「王」が誰なのかを話し合う。
6. チェアのかけ声とともに、各チームの代表者は、相手チームの「王」だと思われる人を指さす(追記も参照のこと)。指定された人は、自分のカードを公表し、正体を明かす。
7. 相手の「王」を当てたチームが勝ち。両チームとも当たった場合、または、両チームともはずれた場合は引き分け。「王」が一度も質問をしなかった場合、そのチームは無条件で負けとなる。

以上の様にとてもシンプルなルールであるが、例えばもし「王」一人だけしか質問をしない場合、その人が「王」であることがすぐに相手チームに分かってしまう。したがって、「王」ではない人も積極的に質問することが、自分のチームの勝利につながる。また「王」自身も、(無理矢理感が出ないように)ごく自然に質問する必要がある。もちろん、普段からよく質問する人が「王」であった場合は、当てるのが非常に難しくなる(逆もまた然り)。このあたりの駆け引き(?)と匿名性に、人狼ゲームにも通じる楽しさがある一方、サイエンティフィックな議論は基本的に全く邪魔しない。

当初、研究室のメンバーがこういう変な遊びに乗ってきてくれるかどうか(「泊さん、突然何おかしなことを言いだしたの・・・?」とならないか)、少し心配だったが、研究室旅行中に皆で人狼ゲームを楽しんだ直後だったということもあってか、すんなりと受け入れてもらえた様である。このゲームを始めてから、ラボミーティングはまだ数回しか行っていないが、明らかに質問の回数や質問者のバラエティが増え、全体の雰囲気もさらに良くなったと感じている。

なお、ルールは暫定的なものであり、まだまだ改善の余地がある。例えば、今のところ当研究室では、各チームの代表者として、最後の話し合いをまとめ(もしまとまらない場合はその人の責任において)、相手チームの「王」だと思われる人を指さす係の「エース」という役割を設定している(最初のカードに、「K」に加えて各色1枚の「A」を入れておく)。ただし、「エース」が誰なのかが相手チームに分かってしまうと、「王」候補の選択肢が1つ狭まるので、うまく振る舞わなければならず、このあたりは今後少し変更するかもしれない。最後は各自紙に名前を書いて投票するという方法もあるだろうし(追記も参照のこと)、話し合いは一切行わず、代わりに、自分のチームの「王」を予想して守ることのできる「ジャック」(「J」のカードを入れておく)という役割を設定するなど、色々なアレンジも考えられる。

子供だましだと思われるかもしれないが、簡単にやってみれるので、よろしければ皆さんの研究室でも一度お試しいただき、何か良いアイデアがあればぜひお知らせいただきたい。

追記
話し合いのあと代表者が指さす代わりに、(発表者以外の)全員に投票用紙を配って、相手チームの「王」と思われる人の名前を書いてもらい、中立である発表者が集計した後、各チームの最大得票の人に対して "Are you a king?" と訊ねる、というやり方を試してみたところ、かなりスムーズだった。裏紙などで投票用紙を準備してしておく手間はかかるが、当研究室では、今後この方法でしばらく運用してみる予定である。

泊 幸秀

東京大学 定量生命科学研究所 教授
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