実はこのマウス、私が研究でこれまで長らくお世話になってきたお気に入りマウスである。その愛らしい見た目とは対照的に正式名称はJF1/MSという無機質な名前だ。三島にある国立遺伝学研究所で樹立されたマウスであり、遺伝研のページでは「デンマークで日本の愛玩用マウスとして売られていたネズミを1987年に三島市の国立遺伝学研究所に導入して育成された系統。」(http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/AnimalCenter/mouseDB/labomice/html/041.html)とある。どうやらパンダマウスは江戸時代に愛玩用として飼育されていたが、日本では絶えてしまったようだ。一方、輸出され海の向こうで生きていたマウスをたまたま遺伝研の研究者が見つけ日本に持ち帰ったという偶然には運命すら感じる。
このマウス、動きはゆっくりで仕草もキュート、非常にかわいらしいのだが、雄は一度喧嘩を始めるとなかなか止めない野性味を時折垣間みせる。そんなところも含めて、なかなかかわいいやつである。さすが、古来日本人の心をくすぐる為に、生まれた「ペット動物」だけのことはある。パンダマウスには、かなわない。私が、以前撮影したお気に入りの写真1枚を載せたいと思う。