2015年11月05日(木)

パンダ模様のマウスって。。

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最近のペットショップで、パンダ模様をしたマウスを見かけた人も多いかもしれない。通称「パンダマウス」。少し前では、インターネットを通じて個人的な取引があり、その後流通が増えたようだ。ペットショップのページを見るとその特徴として「江戸時代より人間に飼育されていたと伝えられているパンダマウスは、白黒のバイカラーと呼ばれる個体を、パンダ柄を固定するように改良されたもの。」とある。

実はこのマウス、私が研究でこれまで長らくお世話になってきたお気に入りマウスである。その愛らしい見た目とは対照的に正式名称はJF1/MSという無機質な名前だ。三島にある国立遺伝学研究所で樹立されたマウスであり、遺伝研のページでは「デンマークで日本の愛玩用マウスとして売られていたネズミを1987年に三島市の国立遺伝学研究所に導入して育成された系統。」(http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/AnimalCenter/mouseDB/labomice/html/041.html)とある。どうやらパンダマウスは江戸時代に愛玩用として飼育されていたが、日本では絶えてしまったようだ。一方、輸出され海の向こうで生きていたマウスをたまたま遺伝研の研究者が見つけ日本に持ち帰ったという偶然には運命すら感じる。

このマウス、動きはゆっくりで仕草もキュート、非常にかわいらしいのだが、雄は一度喧嘩を始めるとなかなか止めない野性味を時折垣間みせる。そんなところも含めて、なかなかかわいいやつである。さすが、古来日本人の心をくすぐる為に、生まれた「ペット動物」だけのことはある。パンダマウスには、かなわない。私が、以前撮影したお気に入りの写真1枚を載せたいと思う。

小林 慎

産業技術総合研究所 研究員
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