2015年05月15日(金)

パソコン少年

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はじめまして、公募班で参加させていただく北海道大学の長尾です。
北海道大学の中心部にいる領域代表の廣瀬さんとは違い、正門から最果ての牧場のとなりにいます(写真)。

ここでは、私のバックグラウンドの話を書きたいと思います。
現在は、転写不活性なゲノム領域であるヘテロクロマチン構築の分子機構の研究をしています。ncRNAとはずっと無縁のところにいましたが、不活性化X染色体の凝縮構造(バー小体)がHBiX1-SMCHD1複合体とXIST lncRNAとが協調して働くことで作り出されるという仕事をしてから、ノンコーディングRNAに興味を持ちこの領域に参加することとなりました。その前は、柳田充弘教授のもとで分裂酵母を使って、京都大学 (大学院生) と現OIST (ポスドク) で姉妹染色体分体の分離・分配、DNA損傷修復などの研究をしていました。

ですので、生命科学のバックグラウンドは染色体なのですが、本当のバックグラウンドは、パソコン少年です。

小さい頃からコンピューターが好きで、小学生の時にMSXという8ビットパソコンを親に頼んで買ってもらい本格的に始めました。パソコン雑誌に載っているゲームのプログラムを打ち込む(多いもので10数ページあったでしょうか、今はもうできないです)というところから始めて、改造したり、自分で作ったりという生活を送っていました。プログラムの保存先が、カセットテープだったというのも懐かしい話です。

将来は研究したいなと漠然と思いつつも、学科を自由に選べる京大の理学部で何をするかねえと思っていたところ、生物学実習の枠に入れたという理由で生物学になりました。ここで、ゲノム配列がプログラムにしか見えなかったパソコン少年は、柳田研の研究室紹介で「うちでは分裂酵母のゲノムプロジェクトをやっている」という一言にだけ反応して、この世界に入りました(柳田研が、本当は何の研究室かを知るのは、入ってしばらくたってからです)。ちなみに領域の中川さんは、その当時一つ下の階でした。

後にbioRubyなどを作る同級生の片山俊明君を誘って研究室に入り、研究室のメールサーバーを立ちあげて管理するというテーマをもらいました(まだ個人でe-mailアドレスを持っているのが珍しい時代です)。ここでUNIXやらインターネットを片山君から知ってのめり込んでいたのですが、研究室内では相当異質な2人に見えたそうです。その後、普通にウエットな研究も始め、生物学的感覚を柳田さんから鍛えられました。これらが現在の私の研究スタイル、質量分析器や次世代シーケンサーなどが出すデータの生物学的意義を読み取りながら進める、の基となっています。

というわけで、私にとっては生物はどうやって動いているかよくわからないコンピューターで、そのプログラムのゲノム情報などを読み解けるようになりたいというパソコン少年です。こんな感覚で、ノンコーディングRNAともつきあっていきたいと思いますのでので、よろしくお願いします。

長尾 恒冶

北海道大学 先端生命科学研究院 講師
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