2018年03月03日(土)

EMBO Conference: Protein Synthesis and Translational Controlに参加して

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東京大学、新領域、博士1年の大塚と申します。

普段は近畿大学の藤原俊伸教授のもとで研究しており、そのご縁で本領域よりご支援いただき、欧州分子生物学研究所(EMBL)で行われたEMBO Conference: Protein Synthesis and Translational Controlに参加しました。ノンコーディングRNAの領域から翻訳制御の学会参加への補助をいただくというのは、矛盾しているようにも感じますが、mRNAの‘ノンコーディング’部位である非翻訳領域とRNA結合タンパク質による翻訳制御についての研究をしておりますので、ご容赦いただけたらと思います。また学会から日が空き大変恐縮ですが、ご報告させて頂きます。

学会は4日間で行われました。初日はレセプションとKeynote talkで、翻訳研究の歴史から最新の知見まで、非常に興味深いお話を伺うことができました。2日目以降は、毎日口頭発表とポスター発表が行われ、各所で熱い議論が繰り広げられていました。

私自身は、藤原研恒例の「とりあえず奇数だろうが偶数だろうがずっと立っとけ」という方針のもと、(教授から「His English is broken」と紹介されたりなど)英語力の無さを痛感しながら3日間ポスター発表をさせていただきました。

この学会では、口頭、ポスターを問わずリボソームプロファイリングのデータを含んだ発表が多かったです。このあと参加させていただいたOISTでのRNA biologyでも、リボソームプロファイリングというワードを目にすることが多く、今年のキーワードだったように思います。ただ、まだまだ精進中の身である私が思うのはおかしい事かもしれませんが、我らがF先生も同意見だったようで、F 先生の言葉を借りるのであれば「猫も杓子もリボソームプロファイリング」という印象を受けました。解析方法として、まだまだ新しいリボソームプロファイリングの基礎を固める重要な研究(フットプリント長の解析など)や岩崎信太郎先生たちのように従来の生化学、分子生物学と組み合わせた華麗な解析を行っている方達がいらっしゃる一方で、とりあえずやってみました、という発表も多かったように感じました。自分たちが、そうならないように、なんのためにその実験を行うのか、そこから何が得られるのかということをしっかり考えて研究を行っていくことの重要性を再確認させられました。

最後になりましたが、領域代表の廣瀬先生をはじめ、ご支援していただいた領域の皆様、さらに全ての事務手続きをしていただきました高橋様に、心より感謝申し上げます。

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