2019年01月04日(金)

RNA研究のフロンティアを見据える

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私は本領域で、piRNAと呼ばれる非コードRNAによる転写制御の研究を一貫して進めてきました。したがって、この5年間で一番の「変わったこと」は、もちろん「piRNAがどのようにゲノムに作用しているのか」の理解の深まりにあると思います。この話題については今投稿中の論文が掲載された際に苦労話?も含めてじっくり語る機会があると信じて、また、中川さんと泊さんからネオタクソノミブログのアピール効果はスゴイ!と伺ったこともあり、今回は少し違う話題に焦点をあてたいと思います。

5年前まではもっぱら参加する側だった、学会・シンポジウム・勉強会などに、最近では運営側として携わらせて頂く機会ができてきました。例えばその中のひとつとして、慶應ライフサイエンスシンポジウムという慶應義塾大学の生命科学研究を学部横断的につなぐシンポジウムの開催に携わらせて頂いています。2018年は、実行委員代表として(代表といっても理工学部のホールを使用しての開催だったということもあり、理工学部の皆様にお世話になりっぱなしでしたが)参加者200名を超える会を無事開催することができました。また、慶大医学部内でも、ISG-Keio (Interdisciplinary Science Group in Keio)という勉強会の運営に関わっています。こちらは基礎と臨床研究の垣根を超えた、幅広い発表と活発なディスカッションが魅力の勉強会になっています。最近では大阪大学医学部との若手研究者間交流も進めており、その連絡担当として奮闘しています。両会共に「慶應」と銘打っていますが、学外からの参加もウェルカムですので、ご興味あるトピック等ありましたらぜひご参加下さい。

そんななか、今年2019年には「RNA frontier meeting 2019」の世話人を、2018年度の世話人の岩崎さん(理研)と池内さん(東大)から仰せつかることになりました(写真はRNA frontier meeting 2018で来年の告知をしている私です)。現在、筑波大学医学医療系の尾崎遼さん、慶大医学部の石野響子さんと一緒に、2019年9月24日から26日に伊豆で開催する予定で企画を進めています。ぜひ、この場をお借りしてその宣伝をさせて頂ければと思います。

RNA frontier meetingは、RNA研究者による、2泊3日の合宿形式の学術集会です。若手研究者や大学院生による口頭発表や討論に加えて、著名な研究者による特別講演を設け、若手研究者の育成と新しい学問領域の開拓を目指しています。1997年に始まった前身の「RNA研究若手の会」から20年以上にわたって継続的に開催されている歴史があり、北は北海道から南は沖縄まで、多岐に渡る大学および研究所から多くの熱意ある若手研究者が参加しています。

RNA frontier meeting 2019では、生物学分野にももたらされているビッグデータ化の流れを受け、初の試みとして、「RNA × バイオインフォ」と題して、RNA研究分野に関連するバイオインフォマティクス研究者との交流を目的のひとつとしたいと考えています。日本バイオインフォマティクス学会からの協賛を頂き、バイオインフォマティクス研究にフォーカスした特別セッションを設ける予定です。さらに、これまでのRNA frontier meetingと同様に、参加者全員に口頭発表の機会をもってもらうと同時に、「ワールドポスター」など新たなグループワーク企画を考えています。RNAを軸に多様な分野から集まった学生・若手研究者が、熱く議論・交流するユニークな場になればと思います。詳細は決まり次第、随時アナウンスしていきます。

バイオインフォマティクスを研究に取り入れている方はもちろんですが、これから勉強したい、興味がある、という方のご参加もお待ちしています。世話人一同、有意義で楽しい会になるように務めてまいりますので、ぜひこのブログをみて下さっている皆様にもご参加頂ければと思います!

岩崎 由香

慶應義塾大学 医学部分子生物学教室 専任講師
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