最近はアメリカに行った際に,必ず買って帰ります。アメリカのドラッグストアに行けば,どこでも2ドルくらいで手に入れることができると思います。日本では,なかなか一般に馴染みのないものですが,自転車のパンク修理や手品などに用途があるようです。(日本では,ネット通販で手品関連のショップから入手可。小瓶600円程度。)アメリカでは子どもの図画工作によく使われる糊(のり)のことで,接着後に簡単に剥がすことができる点が便利です。
私たちは,このラバーセメントをDNA-FISHの実験に使っています。使い方は,2 well チャンバースライド1 well(20mm x 20mm)あたり10μl のハイブリバッファー+ラベリングプローブをのせ,泡が入らないようにスライドグラスをかぶせた後,スライドグラスのまわりをシールするようにこのラバーセメントをのせます。10〜20分程度で自然にラバーセメントが固まりシール完了。こうすることで,ハイブリに使うバッファーの蒸発を完全に防ぐことが出来るので,使用するバッファーの量を極力少なく出来ます。通常,80〜100μl程度必要なハイブリバッファーが約10分の1の10μlまで少なくすることが可能です。なので,市販されている染色体のペインティングプローブのような高価なプローブを使用しなければいけない時には,プローブ量を減らして使用できるのでとても重宝しています。また,ハイブリが終わった後も固まったラバーセメントは綺麗に剥がすことができるので,その後の工程にも特に問題はありません。是非,一度使ってみてください。
注意点は,アメリカから持ち帰る時しっかりラバーセメントの蓋が閉まっていることを確認し,ビニール袋等に入れてスーツケースに入れることです。(アメリカ製品なので,蓋が緩んでいることがあります)以前,アメリカから持ち帰った時,スーツケースの中で瓶からラバーセメントが漏れだし,周りにあった服をダメにしてしまった経験がありますので,ご注意を。