2015年09月18日(金)

Rubber Cement

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シークエンス反応に使うBigDyeとか高価な試薬を使って実験をする時,ケチって使うことってありますよね。BigDyeの場合,皆さんもプレミックスを10〜20倍くらいに希釈して使っているのではないでしょうか。こんな感じで,酵素反応系の実験はその量を減らしてもだいたいワークするので問題無いですが,ハイブリ関係の実験は,プローブ量を減らすと途端にうまくいかないことが多々あります。最近,私たちはDNA-FISHで高価な染色体ペインティングプローブを使うことが多いので,如何に少ないプローブ量で実験を行うかに苦心します。(今使っているペインティングプローブは,5スライド分(50μl)で6万円とめちゃめちゃ高い)そんな時に,役立つのがこの「ラバーセメント」!私のお気に入りです。

最近はアメリカに行った際に,必ず買って帰ります。アメリカのドラッグストアに行けば,どこでも2ドルくらいで手に入れることができると思います。日本では,なかなか一般に馴染みのないものですが,自転車のパンク修理や手品などに用途があるようです。(日本では,ネット通販で手品関連のショップから入手可。小瓶600円程度。)アメリカでは子どもの図画工作によく使われる糊(のり)のことで,接着後に簡単に剥がすことができる点が便利です。

私たちは,このラバーセメントをDNA-FISHの実験に使っています。使い方は,2 well チャンバースライド1 well(20mm x 20mm)あたり10μl のハイブリバッファー+ラベリングプローブをのせ,泡が入らないようにスライドグラスをかぶせた後,スライドグラスのまわりをシールするようにこのラバーセメントをのせます。10〜20分程度で自然にラバーセメントが固まりシール完了。こうすることで,ハイブリに使うバッファーの蒸発を完全に防ぐことが出来るので,使用するバッファーの量を極力少なく出来ます。通常,80〜100μl程度必要なハイブリバッファーが約10分の1の10μlまで少なくすることが可能です。なので,市販されている染色体のペインティングプローブのような高価なプローブを使用しなければいけない時には,プローブ量を減らして使用できるのでとても重宝しています。また,ハイブリが終わった後も固まったラバーセメントは綺麗に剥がすことができるので,その後の工程にも特に問題はありません。是非,一度使ってみてください。

注意点は,アメリカから持ち帰る時しっかりラバーセメントの蓋が閉まっていることを確認し,ビニール袋等に入れてスーツケースに入れることです。(アメリカ製品なので,蓋が緩んでいることがあります)以前,アメリカから持ち帰った時,スーツケースの中で瓶からラバーセメントが漏れだし,周りにあった服をダメにしてしまった経験がありますので,ご注意を。

 

堀家 慎一

金沢大学 学際科学実験センター 准教授
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