堀家 慎一

堀家 慎一

金沢大学 学際科学実験センター 准教授
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2017年02月09日(木)

20年

早いもので,私がこのライフサイエンスの分野に入って今年で20年です。

私は,元々修士まで化学を専攻してきて,1997年に鳥取大学の押村光雄先生のラボに大学院生として入学したのがライフサイエンス研究の始まりです。最初のテーマは学位論文でもあるゲノム刷り込み現象の制御機構の解明でした。その当時,哺乳類には100個程度の親由来特異的に遺伝子発現を呈するものがあって,どうもその制御にタンパク質をコードしないノンコーディングRNAなるものが何かしらの機能を持っているらしいという程度の認識でした。私は,学位論文の中で,LIT1と呼ばれる父性発現を呈するノンコーディングRNAを潰すと,周囲の本来発現することのなかった母性発現遺伝子の活性化を見出しました。今でこそ,LIT1lncRNAがヒストン修飾酵素群を周囲の母性発現遺伝子近傍にリクルートし,ヒストン修飾を変化させることでゲノム刷り込み現象を制御していると考えられていますが,大学院生であったあの頃の私はノンコーディングRNAがゲノム刷り込み制御に関与していることを示せ,とてもエキサイティングした覚えがあります。

2016年08月29日(月)

8M Urea

昨今,格段に酵素やキット類が充実して,誰でも簡単に実験ができている気がします。例えば,プラスミドベクター作り一つとっても最近は,in-Fusionなんかが出てきて,簡単に目的の遺伝子を目的の部位に挿入することができます。一昔前は,プラスミドマップを眺め,どの制限酵素を使えばよいか考え,頭を悩ましていました。また,制限酵素処理したプラスミドや遺伝子断片は,アガロース電気泳動で分離し,ゲルから目的のバンドを切り出し,透析チューブを使って抽出するなんてこともしてました。現在では考えられませんね。このようなキット全盛の時代とともに,諸先輩方が持っていた「私の技」というのも最近めっきり減ってきた気がします。でも,今回の皆さんの投稿を拝見し,まだまだいろいろと「私の技・カイゼン術」があるもんだなあと感心いたしました。

2015年09月18日(金)

Rubber Cement

シークエンス反応に使うBigDyeとか高価な試薬を使って実験をする時,ケチって使うことってありますよね。BigDyeの場合,皆さんもプレミックスを10〜20倍くらいに希釈して使っているのではないでしょうか。こんな感じで,酵素反応系の実験はその量を減らしてもだいたいワークするので問題無いですが,ハイブリ関係の実験は,プローブ量を減らすと途端にうまくいかないことが多々あります。最近,私たちはDNA-FISHで高価な染色体ペインティングプローブを使うことが多いので,如何に少ないプローブ量で実験を行うかに苦心します。(今使っているペインティングプローブは,5スライド分(50μl)で6万円とめちゃめちゃ高い)そんな時に,役立つのがこの「ラバーセメント」!私のお気に入りです。

2015年06月01日(月)

北陸新幹線

はじめまして。公募班で参加させていただくことになった金沢大学の堀家と申します。

「自己紹介」ということで書こうと思っておりますが,なにせ文章を書くことが苦手で(小学生時の夏休みの読書感想文が大の苦手でした),前回,4年間「非コードRNA」の公募班に入れて頂いておきながら,結局最初の一回,自己紹介を書いただけで終わってしまいました。(すいません。)本当に,中川さんたちの情報発信力といいますか,文才には,ただただ感心してしまうのと同時に尊敬してしまいます。「RNAタクソノミ」では,今回の自己紹介だけに終わらないように情報発信できればと思っております。

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