2015年06月24日(水)

蛍光画像の共局在解析のバッチ処理

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超解像であろうと通常のコンフォーカルであろうと、はたまた普通の蛍光顕微鏡であろうと、二重染色の解釈には定量解析がしばしば要求されます。共局在の定量解析の定番といえば、やはりフリーソフトImageJ。ポケモンではないですが、ImageJには進化型があるらしく、その名もFiji(Fiji Is Just ImageJ)。早速こちらのページからインストールすると、PluginやAnalyzeプルダウンメニューにわんさかアイテムが入っていて、お得感満載。共局在の定量化はAnalyze>Colocalization>Coloc 2を使うようです。

使用法は簡単。比較したい2つのチャネルの画像を開いた状態でこのツールを選ぶと、あとは適当にSpearman's rank correlationなりPearson's R valueなりManders M1&M2なりを計算してくれます。各valueの説明はこちらの論文に詳しいです。RGB画像からスタートする場合、ファイルを開いた状態でImage>Color>Split Channelsで各チャネルの画像に分割し、いらないチャネルのウィンドウを閉じてColoc 2を走らせるだけ。とても簡単です。ただ、10枚ぐらいの画像ならともかく、100枚ぐらいになると結構辛い。そんなもん根性で、、、と、300枚の画像を2日がかりで解析していたのですが、流石に飽きてきてついつい目のテストなんていう寄り道ばかりしてしまっていたので、これはいかん、仕事をせなば、とこちらを参考にしてバッチ処理の猿マクロを作ってみました。

dir = getDirectory("Choose a Directory");
list = getFileList(dir);
setBatchMode(true);
for (i=0; i<list.length;i++){
open(list[i]);
blue=list[i]+" (blue)";
green=list[i]+" (green)";
red=list[i]+" (red)";
run("Split Channels");
close(blue);
run("Coloc 2", "channel_1=[red] channel_2=[green] roi_or_mask=<None> spearman's_rank_correlation manders'_correlation kendall's_tau_rank_correlation costes'_significance_test psf=3 costes_randomisations=10");
close(green);
close(red);
}

これをテキストエディットかなにかにコピペして、XXX.ijmのファイル名で保存するだけ(添付ファイルもつけておきました。なぜか.txtがついてしまうので、適宜ファイル名から.txt拡張子を除いてください)。解析したい画像をまとめて一つのフォルダに放り込んでおいて、あとはPlugin>Macros>Run...で保存したXXX.ijmを指定するだけ。解析するフォルダを聞いてくるので、画像が入っているフォルダを指定すると、パカパカ解析してくれます。それぞれの結果はウインドウで表示されますし、そこにあるPDFボタンを押せばpdfファイルを保存可。Logウインドウにはカンマ区切りの結果が出ているので、エクセルにインポートすればそのまま次の解析に使えます。もう少し賢く複数の解析を一枚のcsvファイルに出力することもできるのでしょうが、、、流石にベンチ屋にはこれが限界。どなたか改良してくださいませ。。。

最終修正日 2015年06月25日(木)
中川 真一

北海道大学 薬学研究院 教授
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