- 北海道大学 薬学部 教授
研究概要
生物学の面白さの一つはその多様性にあります。これまで分子生物学は、様々な生物種で保存されているメカニズムをモデル生物を用いて明らかにすることで発展を遂げてきましたが、種の多様性や特定の(例えばヒトやマウスなどの哺乳類などの)種に固有の複雑さに目を向ける研究もこれまた重要です。私たちの研究室では哺乳類特異的な遺伝子の中でも核内ノンコーディングRNAに注目し、これら高等脊椎動物に特異的な核内プロセスを明らかにする事を目指しています。
領域における役割
ノンコーディングRNAの中には核内に大量に蓄積して特定の核内ボディを形成するものがあります。私たちは、このような高発現量核内長鎖ノンコーディングRNAの生理機能を変異マウスの表現型解析を通じて明らかとすると共に、それらのノンコーディングRNAが形成するタンパク質ーRNA複合体の機能や性質を、超解像顕微鏡などのイメージング技術やシークエンス技術を組み合わせながら詳細に解析することを目指しています。
略歴
1998年3月 京都大学大学院理学研究科生物物理学専攻修了。博士(理学)。1998年4月よりHFSP長期奨学生としてケンブリッジ大学解剖学教室Christine Hold研究室で神経発生の研究に従事。2000年4月より京都大学大学院生命科学研究科助手、2002年4月より理化学研究所発生再生科学総合研究センター研究員、2005年より理化学研究所独立主幹研究員を経て、2010年より現職。2013年より埼玉大学大学院理工学研究科連携教授。