2018年04月09日(月)

EMBO meeting @ Weismann Institute (1)

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イスラエルはRehovotにあるWeismann Instituteで開催されている、EMBO meeting "Noncoding RNAs in embryonic development & cell differentiation" にやってまいりました。

直行便がないのでどこかを経由する必要があるのですが、せっかくだからこれまで行ったことのないとこを経由して行こうということで、ロシアはモスクワ経由で入ることにしました。トランジットでも空港が違うとビザが必要なので東京以外に住んでいると普通は面倒なのですが、北大の隠れたメリットの一つ、実は札幌にはロシアの領事館があるんですね。中学高校時代までは今のロシアはソ連でしたから、鉄のカーテンで覆われた街、西側諸国サイドの日本の人間がそう簡単に入れない街、というイメージでした。JAL便で成田を飛び立ちミグ戦闘機の姿を見ることもなく数時間であっさりとモスクワ上空。当たり前のように空港に降り立ってみて、時代というのは変わるものなのだなあというのをひしひしと実感しました。

一晩ゆっくり休んでエアロフロートでテルアビブ入り。学生時代にエアロフロートに乗ったことのある友人は「エアロフロートのパイロット、ソ連の空軍上がりだからとんでもなく運転が荒くて死ぬかと思った」とか言ってましたが、時代が変わったのか、彼の単なるネタだったのか、当然何事もなく無事イスラエル入り。リムジン乗り場に行くと、同じmeetingにinviteされてるClaudia Kutterさんが横のカウンターで受付の人と話してます。最近は便利なもので、webで参加者の顔を事前に確認できるので、あっ!あの人だ!と、すぐにわかるのが良いですね。じゃあ一緒に行きましょうかということで一緒に会場へ。ラボを立ち上げて2年目、ということで、夢いっぱい、やりたいこといっぱい、とても素敵な顔をされてました。日本から?私神戸に行ったことあるのよ。えーっとCDBだっけ。えっ?CDBにいたことあるって?あの、lampreyの進化やってるあの人知ってる?知ってる!面白いわよね。で私の仕事はね、、

EMBOもKeystoneもGordonもそうですが、この手のmeetingは(行ったことないですが)オタクの祭典みたいなところがあって、初対面でも出会った瞬間からアクセル全開でディスカッションが盛り上がるのが不思議なものです。海外という非日常の高揚感が手伝っているところもあるのでしょうが、出会ってすぐこれだけ打ち解けて話ができるというのは(行ったことないですが)婚活パーティーでもそうはないんじゃないでしょうか。ちょっと古い言い方をすれば「lncRNA命」な人たち。(行ったことないですが)コミケ会場のように熱気に溢れています。ちなみに初日はIrene Bozzoniさんのplenary lectureでした。miRNAスポンジとして働くlinc-MD1や翻訳される環状RNAであるCirc-ZNF609などの論文になっている話に加え、クロマチンの高次構造を変える新規lncRNAや翻訳を促進する新規lncRNAの話など、とっても盛りだくさん。KOマウスでもきちんと表現型が出ていて、まだまだ鉱脈は眠っているのだなあというのを再認識しました。これから3日間、どんな話が聞けるか、とても楽しみです。

 
中川 真一

北海道大学 薬学研究院 教授
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