2015年04月29日(水)

微塵子

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はじめまして。

大阪大学の加藤です。様々な重要な生命現象に関わることが明らかとなってきたノンコーディング RNA が、思いがけずミジンコの環境依存的な性決定を制御していることを最近見出し、この RNA の機能解析という研究テーマで公募班に参加させていただくことになりました。これらからよろしくお願いいたします。

ここでは、私たちが研究材料としているミジンコ(微塵子)について紹介させていただきたいと思います。といいますのも、

「なぜミジンコか?」

とよく聞かれるからです。

掲載した写真はメスのミジンコの写真ですが、とても可愛い姿をしています。これも大きな理由の一つですが、語りだすときりがないのですが、一言で言うと、これまでのモデル生物には見られない様々な面白い特徴(もちろん生物学的にも重要な)を持っているからである、と言えると思います。公募班員の研究紹介で説明させていただいた環境依存的な性決定がまず例として挙げられますが、性決定の外にも甲殻類であるミジンコは昆虫の祖先であるとも推測されており進化的に非常に興味深い位置にいること、動物プランクトンとして淡水生態系の要の役割を担っていることから生態学的に重要な生物であるということ、化学物質への感受性が高いことから環境指標生物として利用されていること、などが例として挙げられます。

これらの重要性は世界的にも認知され甲殻類で最初にゲノムの解読が終了しました。また、私達はオオミジンコの卵へのマイクロインジェクションによる遺伝子操作法を整備し、ゲノム編集を行うことも可能になってきました。まだまだモデル生物には及びませんが、ミジンコで分子生物学的解析を行う研究環境が整いつつあります。冒頭で紹介したミジンコの特徴を遺伝子レベルで理解することで、これまでには見えてこなかった新たな自然界の原理、原則を見出すことにつながり、さらに見出した特徴を利用することで私達人間のために役立てることも可能であると期待をし、研究を進めています。

これまでの研究略歴は、以前に RNA 学会の会報に寄稿させていただきましたので、研究内容に興味を持っていただいた方は、会報(https://www.rnaj.org/pdf/letter/kaiho_29.pdf)をご覧になっていただければ幸いです。

それではこれから2年間どうぞよろしくお願い致します。
 

加藤 泰彦

大阪大学 大学院工学研究科 助教
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