15th TRCは"Noncoding RNA Regulation"をテーマに、10月1日に理研(埼玉県和光市)にて開催されました。オーガナイザーを務めて下さったのは、吉田稔先生(理研)・前田明先生(藤田保健衛生大学)・中川真一先生(理研)のお三方です。国内外から14名の先生方を演者に迎え、英語による活発な議論が行われた本会は、もはや"International RNA Club"の様相を呈しておりました。いずれのご講演も素晴らしい中で、個人的に最も強く印象に残ったのは、パラスペックルを同定されたArcha Fox博士(The Univ. of Western Australia)のご講演です。2014年のノーベル化学賞に輝いた超解像顕微鏡の一つSIM(注1)を駆使してNEAT1のパラスペックルにおける配向性を示したFigure(NEAT1の5’ head regionとmiddle regionを認識する蛍光プローブが、それぞれパラスペックルの外側と内側を染め分けているFISHのFigure)は、「美しい」の一言でした。
また、中川さんがClosing Remarksにて「研究者同士の交流はとても大切」とおっしゃっていたように、懇談会も大変有意義な時間でした。他研究室の方々とお話する中で、論文を読むだけでは分からない生きた情報(例えば、FISHのコツや先行研究の再現性など)を色々と知ることができたことも、今回のTRCの大きな収穫です。次回以降のTRCにも積極的に参加しよう、そう感じる素晴らしい会でした。
余談ですが、短いなりにレポートを書かせて頂いた段階で、他の方々はこれまでにどういったレポートを書かれているのか気になりました。そして、ncRNA blogを見て、みなさま大変くだけた感じで書かかれていることに大きな衝撃を受けました。泊さんにそれとなく聞いてみると、「くだけた感じの方が主流かな」とのアドバイスを頂きました。「真面目に書いてしまった、書き直すべきか」と少々悩みましたが、「主流から外れることを恐れていて、良い研究が出来るものか」と自分を納得させ、このまま投稿させて頂きました。決して、書き直すのは面倒だなと感じた訳ではありません(注2)。
注1:泊さんと中川さんのご厚意で、RNAタクソノミ領域に導入する超解像顕微鏡の選定に関わらせて頂きました。本領域に導入予定の超解像顕微鏡、実は日本初の導入となる最新型です。詳細な仕様等につきまして、また追って宣伝させて頂ければと思います。
注2:本当は、若干面倒だなと感じました。