2016年09月04日(日)

判断力

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次世代シーケンス等を利用した大量データ解析は、自分の性格に向いていないのではないかなと、感じることがある。予想と違い、ネガティブ(変化のない結果)な結果の時に、すっぱとやめることができない。はじめてのメチローム解析は、労力をかけた分、色心をだして、本筋から外れたおもしろそうな事象に、つい、手をだしてしまうのである。その領域をつめるにも、それなりに時間がかかり、あ〜〜〜本筋から外れた。と反省するのだ。

恩師である島本功(故人)先生は、いろいろな局面において判断が早かった。学生当時、必要なし、と思ったマイクロアレイのデータには、全く興味を示さなかった。遺伝子が上がった下がったを示したところで、フロリゲンの本質にせまれない、というのが主な理由だったように記憶している。島本研から遺伝研に異動し、生殖期で機能するAGOの標的を探索するため、トランスクリプトーム解析を行ったときも、ポスターの前で数十分話したところで、『これ違うんじゃないか(転写レベルの制御ではない)』とご指摘いただいた。あれやこれややって、私も感じはじめていたときに、この一言...ボスとは、研究結果の嗅覚の鋭さに加え、素早い判断力を持ち合わせているものなのだと実感した日でもあった。進路で迷って、もう判断がつかなくなってしまって、先生に電話で相談したときも、『俺だったら、俺だったらだよ。Aにいく』と仰られた。女性研究者に、二兎追わせてくれるアドバイスだったのではと、今、思う。

“私の技•カイゼン術”とは少しずれるが、心がけていることとして、NGSがらみの解析は、本筋から外れない。色心をだしがちな自分の弱点をコントロールし、ときにやめる勇気も必要!と、解析前に、肝に銘じることか。そして、NGSに限らず、結果がでなく低迷しているときは、島本先生の『小宮!あかんぞ。ガンガンやれ!!』との叱咤激励の言葉を思い出す。

 

写真は、夕飯作りにかかせない塩麹。

肉に魚に、塩麹を塗って、焼くだけ。らくちん&美味。さらに、最近はまっている塩麹の“waza” は野菜をきって“塩麹” と“かつおぶし” をまぜるだけ。キャベツ、セロリ、ゴーヤ、玉ねぎ、なんでもおいしい。好きな野菜を切って和えるだけなので、食事準備の時間を少しでもへらしたい方におすすめです。

小宮 怜奈

沖縄科学技術大学院大学 サイエンス アンド テクノロジー アソシエート
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