学会は4月16日から20日まで開かれ、自分のポスター発表は18日の朝に行いました。2015年の12月に参加したAACRの分科会はncRNAがテーマであったので、発表者も参加者もバックグラウンドの知識に大きな差異が生じることなく、お互いにディスカッションを行うことが出来た感じでいました。しかし今回は、癌という大きな括りの研究者が集まっているので、発表内容がキチンと伝わっていない感じを受けた。もう少し、話す内容に変化をつけるべきであった反省しました。
Annual meeting は非常に大きな大会なので、おそらく2万人規模の参加者がいると思います。様々なセッションが同時に進行し、見たいセッションが全て見れたわけではなかったですが、十分に堪能しました。毎年この分野のブームは移り変わるのですが、今年はCRISPR-Cas9、1細胞シークエンス、微小環境、免疫療法の4点押しでした。3年前に参加した時は、がん幹細胞、Circulating Tumor Cell、lncRNAなどがメイントピックでしたので、大きく移り変わったのが感じ取れました。オーラル発表は非常に沢山あるのですが、どのオーラル発表も姉妹紙レベル以上に採択されている研究内容が多く、アメリカの層の厚さが感じ取れました。また、論文未発表データもガンガン発表してくるので、文化の違いを見ることが出来ました。また、分科会と違いAnnual meeting では臨床応用研究も盛んで、医療現場への応用が強く意識されていました。
最後に、ニューオーリンズレポートを。日本からニューオーリンズまでは直行便がないので、多くはダラスかシカゴ経由でルイ・アームストロング・ニューオリンズ国際空港へ向かいます。空港から学会会場があるフレンチクオーター周辺までは、シャトルに乗って20-30分程度で着きます。フレンチクオーターの近くにはミシシッピ川が流れており、近くのカフェで優雅な午後を過ごすことが出来ます。また、フレンチクオーターの街並みはどこかフランスの香りを漂わせていて、散歩が非常に楽しい街でした。ニューオーリンズといえばジャズの街で、フレンチクオーター周辺では街中で音楽をやっている人やパフォーマーが沢山いて、音楽が根付いている感じを受けました。また、ニューオーリンズのフレンチクオーターはお酒に寛容で、道路でビールを飲むことが法律で許されているそうです。夜になると毎晩若者たちが集まってきて、お祭り騒ぎになります。一方、ジャズバーは夕方くらいからオープンし始め、特大のビールを飲みながらジャズを楽しむことが出来ます。たまたまNBAのプレーオフシーズンでしたので、ジャズ、ビール、バスケの3点盛りを堪能出来ました。
食事面は普通のアメリカと変わらないのですが、メキシコが近いせいか全体的に辛口で、ビールが進みます。ニューオーリンズの名産は、ガンボというスープとザリガニです。油で揚げて辛口に調理されたザリガニを食べながら、ビールを楽しむようです。
最後になりますが、旅費、参加費をサポートしていただいた本領域に感謝を申し上げます。また、煩雑な事務処理を担当してくださった高橋様にも厚く御礼を申し上げます。