京都産業大学 総合生命科学部 生命システム学科 准教授
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近年のRNA分野の流れは驚異的なほど速い。piRNAやlncRNAでRNA研究の盛り上がりが最高潮に達したかと思ったのもつかの間(もちろんこれらのRNAは今もホットである)、circRNAやらRNA epigeneticsやら液―液相分離やら、続々と新しいキーワードが飛び出してきて著名ジャーナルの目次を飾っている。CRISPR-Cas9や次世代シークエンスの発展がこの流れに大きく貢献してきたのはいうまでもない。私がポスドク時代に身につけた知識(microRNA、ZFNやTALEN、マイクロアレイ)はすでに過去のものとなり、自身をアップデートし続けなければあっという間に取り残されてしまう。ここ数年は、知識と技術が爆発的に拡大する時代に居合わせる高揚感と、焦りと不安が同居したような時間を過ごしてきた。思えば論文もコンペティションになってばかりで、自分のタイミングで投稿した記憶があまりない。のんびりしがちな自分には必要な緊張感なのかもしれないが、研究の底が浅くなっていくような気もしている(そもそも元から深みはない)。
みなさま明けましておめでとうございます。東京大学 分子細胞生物学研究所の三嶋です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。すでにご存知の方もおられますが、4月から所属が変わることになりました。ラボ立ち上げからのスタートですので、その準備や対応がゆっくりながら進んでおり、いつになく落ち着かない年末年始でした。これまでのラボ引越しや立ち上げの経験を生かして(前回の投稿などなど)なるべく早く研究環境を整え、領域の推進に貢献したいと思います。
つい最近、パスポートの有効期限が切れている事に気がつきました。慌てて申請手続きを済ませ、使えなくなった古いパスポートのスタンプやビザをパラパラと眺めていると、10年前の記憶がよみがえってきます。パスポート取得日は2006年10月。私がポスドクとしてアメリカに渡る直前に更新したものです。思い起こせばその翌年の2007年は、これまでの人生で一番タフな一年でした。