当時の状況としては
1) FISH・免疫組織染色等では差が見られなかった。
2) 行動アッセイで弱いながら表現型が見られた。
3) スプライシング因子と相互作用しており、選択的スプライシングの変化が予想された。
4) 怒涛の発現マイクロアレイ、エクソンアレイ解析では何も差が見られなかった。
ということになります。4)でかなり金銭的にも精神的にも消耗したので「撤退」の2文字が頭によぎりましたが、そこは初恋のなせる技。子育て中の親鳥が餌を探し回るがごとく、ミーティングや学会に出るたびにこの状況を打破してくれるウルトラCに出会えないかと物色し、Ben BlencoweさんのNGSを用いた選択的スプライシング解析を聞いた時は、科学特捜隊が手も足も出ず苦しんでる中ようやく光の国からウルトラマンがやってきたような気がしました。ずん、ずん、ずん、と、だんだん大きくなってくるあれですね。
どの分野でもそうかもしれないが、バイオインフォマティクスは研究の本質と関係ないところに時間を食われることが多い。昔、バイオインフォマティクス研究者の研究時間の7割は、ファイルのフォーマット変換に費やされていると揶揄(自虐?)されていた。実は、これは手入力ファイルを機械で読み取ることが多かった昔だけの話ではなく、現在でもかなりの時間が単なるファイル形式の変換に費やされている。
次世代シーケンサー周りだと、Fasta形式、Fastq形式, SAM形式、BAM形式、VCF形式、BED形式、GTF形式などの各ファイル形式を延々と行ったり来たりすることが多いだろう。
昨今,格段に酵素やキット類が充実して,誰でも簡単に実験ができている気がします。例えば,プラスミドベクター作り一つとっても最近は,in-Fusionなんかが出てきて,簡単に目的の遺伝子を目的の部位に挿入することができます。一昔前は,プラスミドマップを眺め,どの制限酵素を使えばよいか考え,頭を悩ましていました。また,制限酵素処理したプラスミドや遺伝子断片は,アガロース電気泳動で分離し,ゲルから目的のバンドを切り出し,透析チューブを使って抽出するなんてこともしてました。現在では考えられませんね。このようなキット全盛の時代とともに,諸先輩方が持っていた「私の技」というのも最近めっきり減ってきた気がします。でも,今回の皆さんの投稿を拝見し,まだまだいろいろと「私の技・カイゼン術」があるもんだなあと感心いたしました。
動物のブリーディング(breeding)と聞いて皆さんは、どんな動物を思い浮かべるでしょうか?血統書付きのワンちゃんでしょうか、それとも競馬の競走馬、はたまた牛や豚などの家畜動物でしょうか?それぞれ、繁殖にはきっと「こつ」があり、季節や動物の健康状態、交配環境など適した条件が必要だと思います。時には、人工授精などの先端の技術が使われることもあると思います。