新学術領域研究「ノンコーディング RNA ネオタクソノミ」の公式ブログです。コメントはどなたでも歓迎します。
今から10年前の2007年というと、私の研究室がちょうど立ち上がったばかりの頃である。4月から研究室に加わってくれたポスドクの川俣さん、大学院生の岩崎さん、秘書の丸山さんと私という4人体制で、規模は小さいながらも密度の濃い研究が始まりつつあった。とはいっても、当時のメールを読み返してみると、研究所の新人歓迎会でやる出し物のために、ピタゴラスイッチという番組内でやっていた「アルゴリズム行進」を替え歌にして体操しようということになり、カラオケを宅録で作って研究室で皆で歌を重ね録りしてみたり、隣の研究室から「人数が少なくて寂しいでしょうから良かったら一緒にどうですか」と研究室旅行に誘っていただき、山形まで交代で運転しながら出かけたりと、なかなか楽しそうな日々を過ごしていたらしい。
北大、廣瀬研の山崎です。遅くなりましたが、5月30日から6月3日までチェコ共和国プラハで行われた、RNA2017について報告させていただきます。
セントラルドクマを教える教職の立場にあって、non-coding RNAは台頭著しい若手プレーヤーであるものの、果たして、これが転写因子やコファクター、あるいは膜タンパクからシグナル分子といったエスタブリッシュメントされたセレブリティにどこまで食い込めるものか、毎週のように溢れかえる確固たる新知見は、まだ知らぬRNAワールドへ強く誘ってくれるものの、Xistをこえるlong non-coding RNAを待ちわび続けながら、また、small RNAについても、マクロの世界を補完する、サポーティブなsmall worldかもしれない、という、どこか胸を張り切れない感があったことは事実です。
札幌はガトーキングダムで開かれた内藤カンファレンス。自宅から車で40分ほどにもかかわらず3泊4日もすることになり家族が悲しむかと思いきやむしろ喜んでいるようだったのでちょっぴり悲しくなりつつも、今回のテーマはずばり、"Noncoding RNA: Biology, Chemistry, & Diseases"。GordonやKeystoneに引けを取らない豪華な海外ゲスト。超ウルトラスーパーデラックスエキサイティングでグレートでプロジーヂャスなミーティングは非常に熱気に満ちていて、興味のある話はいくら聞いていても飽きないということを本当に実感した4日間でした。