ncRNA+Blog NEO

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新学術領域研究「ノンコーディング RNA ネオタクソノミ」の公式ブログです。コメントはどなたでも歓迎します。

2015年04月29日(水)

微塵子

投稿者:

はじめまして。

大阪大学の加藤です。様々な重要な生命現象に関わることが明らかとなってきたノンコーディング RNA が、思いがけずミジンコの環境依存的な性決定を制御していることを最近見出し、この RNA の機能解析という研究テーマで公募班に参加させていただくことになりました。これらからよろしくお願いいたします。

ここでは、私たちが研究材料としているミジンコ(微塵子)について紹介させていただきたいと思います。といいますのも、

「なぜミジンコか?」

とよく聞かれるからです。

2015年04月23日(木)

春うらら

投稿者:

公募班として参加させて頂く岩崎由香です。

本領域では、piRNAと呼ばれる核内で転移因子などを抑制する非コード小分子RNAを対象に、非コードRNAによるエピゲノム制御の作動ダイナミクスを明らかにしたいと考えています。先の河岡さんにならって、研究に関しては別途公募班のスペースにアップさせて頂くということで、がっつり(というほどでもないですが)自己紹介したいと思います。

私は現在、慶應大学医学部で研究しています。うららかな春の時期は、実習と講義の集中授業があったり、研究室配属になった学生と一緒に研究を始めるキックオフがあったりと、学生と接する機会が多い時期です。自然と、自分自身の学生時代を思い出すことも多くなります。

2015年04月20日(月)

ncRNAによる転写制御

投稿者:

これから2年間お世話になります大阪大学の河原です。私は疾患病態に関与するRNA代謝異常に興味がありますが、今回は完全に基礎的な内容です。長鎖ncRNAは、これから大いに発展する研究領域だと思いますが、現在その黎明期にあって非常に混乱しています。個々のncRNAの名称にも統一感がなく、HOTAIRやXISTくらいまでは覚えられましたが、最近の論文に出てくるncRNAは、聞いてもどんな機能だったか全く思い出せません。また、PRC2複合体などの論文を読んでいても、何の因子にどうやって結合するのかよく分からないがとりあえずncRNAが結合して、どうやって機能するのかよく分からないが結果的に転写が制御されているという消化不良を起こしそうな内容のものが非常に多い印象を受けます。何とかこのncRNAによる転写制御といった領域を整理して、できればマイクロRNAとRISCの関係のような明快な関係性と作動機序が明らかにできないかなと思ったのが応募のきっかけです。返って混迷を深める危険性もあるのですが、何とかこの領域に貢献したいと思っています。記憶に残る研究をすることがモットーですので、研究室のメンバーのテーマも個々に自由です。もし研究に参画してみたい方がおられましたらいつでもご連絡ください。それでは、よろしくお願いします。

2015年04月19日(日)

1番 ショート ちゃーりー

投稿者:

はじめまして(?)、公募班として参加させていただくATRの河岡慎平(ちゃーりー)です、宜しくお願いします。ERATO佐藤ライブ予測プロジェクト、コンテクストバイオロジーグループのグループリーダーも務めています。僕の班では、時空間的な遺伝子発現パターンを制御するゲノム領域「エンハンサー」から転写される非コードRNA、エンハンサーRNAの研究を行います。研究の概要などは公募班のスペースにアップしていただいてので、そこに書いていないことを書きます。

うまくいっているときはプロトコールを変えないのが鉄則です。しかしながら、ついつい良さそうな噂を聞きつけると試したくなるのも心情。かといって、そんなことばかりしていては肝心の仕事は前に進みません。僕らが使っているin situ hybridizationのプロトコールはかれこれ20年ぐらい何も変えず、それでうまくいっていたので今更いじるところもなかろうと思っていたのですが、衝撃の事実が。。。

最終修正日 2015年03月26日(木)
2015年02月24日(火)

マテメソ

投稿者:
マテリアルアンドメソッド、通称マテメソがごっそりsupplemental materialsになっている論文をここ数年良く眼にするようになってきました。そもそも、この、supplemental materials。僕が大学院にいた頃は存在すらなかったわけですが、最近ではクソ思慮深いレフリーの要求に丁寧に答えていると論文の容量がどんどん膨れ上がり、本体の図の数よりsupplemental figureの図の数が多い、なんていう冗談みたいな状況にもなりがちです。このあたり、研究者が研究者の首を締めているのだからざまあない、わけですが、本体の字数制限の犠牲に真っ先になるのが、マテメソの様な気がします。たしかに、論文を「物語」として読む場合にはマテメソはそれほど重要な要素ではありませんし、「物語」の面白さがクソ思慮深いエディターに最重要視される昨今では、どんどん扱いが小さくなってしまうのも仕方のないことかもしれません。しかし、しかしです。実験の再現性、ということを考えると、やはり、マテメソ、軽んじるべからず。です。まずはこちらをご覧ください。さて、A, B, Cでprobe A, Bの分布がえらく違うのはよくわかっていただけると思うのですが、これ、どのような実験条件の差かお分かりになりますでしょうか。

前回の投稿、公式連載「はじめが大事?」の続きを書かせてもらいます。

修士2年目の夏前の研究会でのネガティブな研究結果発表の後、渡辺公剛先生がベンチにきて、「あなた、もう飽きたかい?」とおっしゃられました。植物ミトコンドリアにおけるRNAエディティングの試験管内実験がうまくいかなかったこともあり、博士へ進学することを希望していた私は、内心「ほっと」し、動物ミトコンドリアにおける遺伝暗号変化の分子メカニズム解明にテーマを変えることになりました。今でも、その時の状況、自分の心境は鮮明に覚えています。

Keystone Meetingに初めて参加したのは博士課程の1回生から2回生になる時で、ちょっと背伸びをしたいという気持ちが強くなる時期であったこともあり、学振DC1のサポートをいただいていて旅費や参加費を自腹で出さなくても良かったという事情もあり、上の世代の先輩方があれは良い、あれはすごい、さすがKeystoneだ、と手放しで絶賛されるミーティングはいったいどのようなものだろう、と、いちびって参加したのですが、語学力の問題があり、そもそも基礎知識が圧倒的に不足したことも災いして基本ぼっち状態。最終日のディナーでは微妙な笑みを仕方なく浮かべながらひたすら酒を飲み続ける気味の悪い東洋人の隣に座る羽目になった方々はさぞ気味悪かったと思いますが、一つの夢がはっきりと破れたことを自覚して帰国したのを昨日の事のように良く覚えています。

研究が壁に当たったらどうするか。ラボの同僚に聞く、友人に聞く、ボスとディスカッションする、いろいろ手段があると思いますが、結局のところ、その分野の世界の最前線で働いている人に聞くのが一番です。

やっぱりこの表現型は本物だ。絶対間違いない。と思って夢中で顕微鏡を覗いていたところにグラリときて、数日間は思考停止。

心の整理は今だについていないような気がしますが、引っ越し直後に被災された東北大の杉本さんが、さきがけRNAの仲間に宛てたメールで(当時杉本さんはさきがけRNAと生体機能のアドバイザーでした)「明けない夜はない」という言葉を引用されているのを目にして、止まっていた時計の針がようやく動き出したのを今でもよく覚えています。

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