ncRNA+Blog NEO

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新学術領域研究「ノンコーディング RNA ネオタクソノミ」の公式ブログです。コメントはどなたでも歓迎します。

2014年11月29日(土)

寄り道

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大学院入試も終わり、研究室に配属されたのは1992年9月。最初に与えられたミッションは、『形態誘導因子エピモルフィンのファミリー分子を同定せよ』でした。今なら配列をBlastに投げて3秒で終わる作業ですが、当時は縮重プライマーを用いたPCR→PCRフラグメントのクローニングとアクリルアミドゲル電気泳動でのシークエンス→部分断片を用いたλgt10ファージライブラリースクリーニング→全長をつなぎ合わせるサブクローニング、と、それなりに手間のかかる仕事でした。とはいえ、技術的には確立している実験ですし、やる事は決まっていますから、体力だけは自信がある人間向けの実験であったと言えましょう。そして誰しも20代の頃は体力に自信があるものです。

2014年11月22日(土)

MBSJ 2014 & 16th Tokyo RNA Club

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今年もやってきました。冬の風物詩、分子生物学会です。ノンコーディングRNA関連のシンポジウムやワークショップをちょっと拾ってみますと、あるわあるわ、、、

2014年11月17日(月)

JAJRNA

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JAJ!! JAJ!! ジェイ、エイ、ジェー!! ジェイ、エイ、ジェー!

U、S、A!!!みたいなノリですが、無事、このゴロの良い言葉の日豪合同RNAシンポジウムが終了いたしました。このJAJ、なにかと良くできていて、まず、語呂が良い。あと、日中だか中日だか、日韓だか韓日だか、まるで子供の意地の張り合いのように先手番を取りたがるややこしい問題を一気に解決してくれる、Joint Australia-Japan RNA meeting & Japan-Austraria Joint RNA meeting。このどっちとも取れる素晴らしき名称のミーティングにRNAをこよなく愛するおじさん達と若者たち、大挙して赤道を越えて行ってまいりました。

2014年11月15日(土)

はじめが大事?

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 私は、教養学部生の時に立花隆氏と利根川進博士との対談を既述した「精神と物質」を読み、なんとな~く「分子生物学」研究にあこがれていました。特にその中でもJacob-Monodのオペロン説について感銘を受け、「遺伝子発現制御」の研究を「分子生物学」手法を用いて研究をしてみたいと思っていました。そこで、工学部の4年生の時に、渡邊公綱先生の研究室での卒業研究を希望し、運よく希望通りに配属されました。
 
細胞を培養しているラボならどこでもだれでも普通にやっている免疫染色。そのラボ独自のちょっとスパイスやtipsがいろいろあったりするわけですが、超解像顕微鏡観察での染色プロトコールのちょっとしたコツをまとめてみました。前にも紹介しましたが、ポイントは3つ。(1)カバーグラスは通常の#1 (0.12mm-0.17mm)ではなく#1.5、もしくは0.17µmプラマイ0.01mm厚のものを使うこと。(2)2次抗体にはCy2, Cy3, Cy5などのcyanince系を使うこと。(3)マウント剤にはTDEを使うこと。サンプル調整(1)として、ここでは特にカバーグラス上での培養について説明します。次回、サンプル調整(2)はTDEでのマウントについて説明します。
最終修正日 2014年12月01日(月)
2014年11月08日(土)

荒唐無稽な研究テーマ

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 私が研究室に所属して最初に与えられたテーマは、カブラハバチ(膜翅目)の精子形成過程の観察である。膜翅目昆虫は半数倍数性というかなり変わった性決定様式を持っており、二倍体の個体は雌となり、半数体が雄となる。ところが、雄の配偶子である精子はもちろん半数体なので、半数体の生殖細胞から半数体の精子が出来るはずである。これらのことから、膜翅目昆虫の精子は減数分裂において、ちゃんと「減数」していない(還元分裂でない)ことが予想されるが、詳細な解析は行われていなかったと思う。わたしの最初にやったことは、カブラハバチの精巣のフォイルゲン染色(核染色)と、精巣のパラフィン切片を用いた細胞の形態観察である。カブラハバチの精子形成における減数分裂を観察することにより、非還元的減数分裂という面白い現象の詳細を明らかにし、さらには還元分裂を行う雌との比較により、減数分裂の制御メカニズムを探ろうとするものであった。

 と、エラそうに書いたが、実はこのテーマ、あまり進まなかった。

2014年11月01日(土)

意識の再構成

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岡山の兼業農家の長男として生まれ育って、半ば強制的に地元の大学にいかされ、高校生のころからの夢だった”意識”の研究なんて夢のまた夢として諦めるしかないのかなと、自分の無力さを棚にあげ、学業的にも自暴自棄(?)になり、それでも諦めきれずに、地元で整形外科医を志したのは、手術のあと颯爽と飲みにいかれる先輩達の姿と中途半端な上司がいないという、あっぱれ秋晴れのような整形外科医局の雰囲気に一抹の望みをかけたからです。

僕はNGS解析の専門家ではありませんが、たぶんこれ、ここ数年のうちにPCR並に当たり前の技術になるでしょうから(学生のころはPerkinElmerのPCRマシーンが眩しかった、、、)、猿でも出来るレベルのNGS解析の解説記事を不定期でアップしていこうと思います。以下、埼玉大及び熊本大学の集中講義で使用した資料です。

2014年10月24日(金)

Suppressor tRNA

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昭和54年、西暦でいえば1979年、私は京都大学理学部の3回生であった。当時体育会系の少林寺拳法部に所属しており、日々考えていたことといえば、いかにうまく人をどつくか、いかに楽に単位を取るかといったところであり、サイエンスの世界からは程遠いところにいた。
2014年10月18日(土)

蛍光1分子観察

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紆余曲折な研究人生を歩んできたのですが、初めてRNAに関わった仕事を紹介したいと思います。

博士課程のテーマの一環として取組んだのが、細胞内におけるmRNAの蛍光1分子観察でした。当時は、阪大の柳田敏雄研で師匠の船津隆先生を中心として、水溶液中の蛍光1分子観察が試験管内(顕微鏡下の観察チャンバー内)で、世界で初めて成功し、1分子生理学の黎明期でした。次は、細胞内、という事で、新設の船津研では、試験管内におけるシャペロニンGroELの蛍光1分子観察(当時:東工大の吉田賢右先生、田口英樹先生との共同研究)と平行して取組んでいました。研究室の立上をしつつ、新規テーマ2つの立上という事で(シャペロニンの方は当時4年生だった上野太郎さんと一緒に立上)、てんやわんやしていた記憶があります。

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