影山 裕二

影山 裕二

神戸大学 遺伝子実験センター 准教授
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2014年11月08日(土)

荒唐無稽な研究テーマ

 私が研究室に所属して最初に与えられたテーマは、カブラハバチ(膜翅目)の精子形成過程の観察である。膜翅目昆虫は半数倍数性というかなり変わった性決定様式を持っており、二倍体の個体は雌となり、半数体が雄となる。ところが、雄の配偶子である精子はもちろん半数体なので、半数体の生殖細胞から半数体の精子が出来るはずである。これらのことから、膜翅目昆虫の精子は減数分裂において、ちゃんと「減数」していない(還元分裂でない)ことが予想されるが、詳細な解析は行われていなかったと思う。わたしの最初にやったことは、カブラハバチの精巣のフォイルゲン染色(核染色)と、精巣のパラフィン切片を用いた細胞の形態観察である。カブラハバチの精子形成における減数分裂を観察することにより、非還元的減数分裂という面白い現象の詳細を明らかにし、さらには還元分裂を行う雌との比較により、減数分裂の制御メカニズムを探ろうとするものであった。

 と、エラそうに書いたが、実はこのテーマ、あまり進まなかった。

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