昆虫少年期を経て、野鳥を追いかける幾分根暗な青年期をむかえていた私は、植物の形態形成遺伝子の解明に取り組まれていた内宮博文先生のラボで卒業研究をしました。当時は、まだDNAを扱うこと自体がトレンドであり、エッペンチューブとピペットマンを握ってのベンチワーク、クローニングやハイブリダイゼーションといった実験がファッショナブルに見えました。自分もそうした研究ができることを夢見ていたのです。しかし勇んで研究室に入った私に与えられたのは、植物の種でした。
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