【計画研究1】ncRNA作動エレメントの配列構造の同定

細胞内構造体の構築機能を有するアーキテクチュラル(arc)RNAは、新しいタイプのncRNAです。本研究では、arcRNAを骨格にした巨大細胞内構造体の構築に関わるRNA配列とRNA-タンパク質ネットワーク形成機構を、クロスリンクRNA免疫沈降法やタンパク質間相互作用解析、さらには構成因子の機能阻害実験を通じて明らかにします。またこの構築過程のncRNAとタンパク質の会合を仲介するタンパク質複合体の作用機構を生化学的に解析すると同時に、複合体の細胞内での形成過程を超解像度顕微鏡を用いて直接観察します。さらに細胞分画とRNA配列解析を組み合わせた解析によって、新たなarcRNAを同定し、その機能配列と相互タンパク質情報を集約して細胞内構造体構築機能に必要な作動エレメントを抽出します。

分担者である富田は、ncRNA作動装置の構築や安定化に関わる重要なRNA-タンパク質相互作用を同定し、その構造基盤を明らかにします。また、特定の機能性RNAの成熟化や機能発現を制御するタンパク質を質量分析によって同定します。一例として、研究代表者と連携して、arcRNA機能を支えるRNA-タンパク質複合体を同定し、その共結晶を作成しX線回折法による分子構造解析を行います。

これらの研究を通して、RNAの機能配列・構造に基づいたncRNAタクソンを確立します。

 

廣瀬 哲郎 (HIROSE, Tetsuro)
  • 北海道大学
  • 遺伝子病制御研究所
  • 教授

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富田 耕造 (TOMITA, Kozo)
  • 東京大学
  • 新領域創成科学研究科
  • 教授

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