【公募研究2】mRNA制御因子としてのtRNAネオタクソノミ

ncRNAはlncRNAやsmall RNAだけではありません。近年、古典的なncRNAにも制御性ncRNAとしての第2機能がある可能性が注目されています。我々は、ゼブラフィッシュをモデルとして用いた研究から、mRNAの安定性がORFのコドン組成によって規定されていることを見出しました。この発見は、コドンを読み取るtRNAに遺伝子発現を動的に変化させる制御性ncRNAとしての機能が備わっていることを意味しています。本研究では、ゼブラフィッシュ初期胚を用いた実験系を駆使し、コドンとtRNAがmRNA安定性に及ぼす効果の定量的な検証によって、制御性ncRNAとしてのtRNAの特徴を同定します。またコドン効果のin vivo可視化系を構築し、遺伝子発現の組織特異性を生み出すポテンシャルを秘めた制御性tRNAを探索します。古典的ncRNAに隠された個性とその多様性に焦点をあてることで、tRNAの新たな機能的分類「tRNAネオタクソノミ」を目指します。

三嶋 雄一郎 (MISHIMA, Yuichiro)
  • 京都産業大学
  • 総合生命科学部
  • 准教授

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