【公募研究14】ncRNA構造ライブラリを基盤とする大規模作動エレメント解析技術の開発

いくつかのRNAの機能が、配列ではなく、それらが織り成す構造によって規定されているように「作動エレメント」に加わる重要な要素としてRNAの高次構造があげられます。しかし高次構造を重要視した作動エレメントの解析手法、特に大規模解析手法は発展途上にあります。既存の手法では特定の細胞に内在するRNAを元に実験・解析を行うために、特定の細胞条件に依存した解析結果に陥る点や、高度に構造をとったRNAを十分に解析できない点に改良の余地がありました。加えて、網羅的検出技術が開発されていない機能性RNAも存在しており,RNAが有する多彩な機能への理解を阻んでいました。上述の問題を解決するために、本研究では独自に開発した「RNA構造ライブラリ」を用いて作動エレメントとして重要なRNAの配列と高次構造を網羅的に解析する新技術を創出します。さらに幅広い種類の機能に対してRNA構造ライブラリを用いた解析を実施することで、従来の機能性RNAの研究手法を革新し、配列と高次構造の観点からncRNAの機能アノテーションを拡充することを目指します。

齊藤 博英 (SAITO, Hirohide)
  • 京都大学
  • iPS研究所
  • 教授

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