【公募研究7】長鎖ノンコーディングRNAによる代謝制御を介した炎症制御機構の解明

心不全の病態形成に慢性炎症が関与し、心不全や心筋梗塞の際は、心臓内で増加する炎症型マクロファージが組織再構築を起こして心機能を低下させると考えられています。一方で、我々は心臓マクロファージが心臓の病態形成と恒常性の維持の両面で働くことを見出しました(Fujiu et al, Nat Med 2017)。このことから、心臓ストレスに対してマクロファージが炎症型から炎症収束型に速やかに移行すれば心臓恒常性が維持されるが、炎症収束型に移行できないと炎症が遷延し、心疾患を発症すると考えました。我々はマクロファージにおいて機能する長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)に着目し、特にその作用様式に着目して詳細に検討し、lncRNA の新しい性質・機能を理解するともに、マクロファージのlncRNA による制御を標的として、心血管疾患の新規治療法開発の基盤を構築することを目的とします。

藤生 克仁 (FUJIU, Katsuhito)
  • 東京大学
  • 医学系研究科
  • 特任助教

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