【公募研究6】ヒトにおけるmicroRNAマシナリーによる翻訳抑制の作動原理の解明

我々は翻訳とmRNAの安定性を同時に評価可能なin vitro miRNA評価系の構築を行い、miRNAによる翻訳開始抑制時に、翻訳開始過程のどのステップが標的とされているのか、またどのような因子を標的としているのかを、mRNA-タンパク質複合体(mRNP)pull-down法を開発し、解析してきました。その結果、miRNA存在下においては、翻訳開始複合体eIF4Fの構成因子であるeIF4Aが、eIF4F複合体から除外されていることを証明しました。しかしながら、miRNA反応マシナリーがどのようにしてeIF4Aを翻訳開始複合体より解離させているのかについては依然不明です。miRNA反応マシナリーが翻訳開始を抑制する作動原理の全容解明のためには、miRNA反応マシナリーがどのようにして翻訳開始複合体よりeIF4Aを解離させているのかを明らかにすることが必須です。そこで本研究計画では、申請者がこれまでに構築した生化学実験系を駆使し、miRNA反応マシナリーがeIF4FからeIF4Aを離脱させ、翻訳開始を抑制する作動原理の解明に取り組みます。

藤原 俊伸 (FUJIWARA, Toshinobu)
  • 近畿大学
  • 薬学部
  • 教授

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