【公募研究8】核内足場クロマチン構造を介したncRNA, IPWの作動機序の解明

X染色体の不活性化機構に重要なXistやゲノムインプリンティング制御に重要なLIT1, Airなどに代表されるノンコーディングRNA(ncRNA)は,染色体ドメインレベルで周囲の遺伝子発現を制御しています。 これまでの研究から,それらの作用機序は多岐にわたり,XistのようにcisにX染色体上に局在し,染色体全体を不活性化に導くものもあれば,LIT1のようにある特定の局所な染色体領域にG9aなどのヒストンメチル化酵素複合体をリクルートするものまで様々です。最近の生化学的解析から,PRC2複合体などのncRNAと会合するタンパク質の実態は徐々に明らかにされつつありますが,ncRNAが如何に特定の局所な染色体領域にのみ作用するかについては未だ明らかにされていません。そこで,本研究ではncRNA, IPWが遠位の染色体領域に作用するのに必要な足場クロマチン(作動装置)の構築機構と,それに作用するncRNA, IPWの配列(作動エレメント)を堀家ら独自のヒト染色体工学技術と昨今のゲノム編集技術CRISPR/Cas9システム,及びshRNAライブラリースクリーニングを駆使して明らかにしたいと考えています。

堀家 慎一 (HORIKE, Shinichi)
  • 金沢大学
  • 学際科学実験センター
  • 准教授

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