【公募研究15】lncRNA-mRNAの相互作用ネットワークに基づくlncRNAの機能推定

近年、lncRNAがmRNAと相補鎖を形成する事で、相互作用するmRNAの発現を調節している事例が知られるようになってきました。そのため、lncRNAの関与するRNA-RNA相互作用を網羅的に調べる事が、機能未知lncRNAの機能を推定するために有用であると考えられます。しかし、数万種ものlncRNAの相互作用を全て実験で調べる事は困難であるため、バイオインフォマティクスによる相互作用予測が必要不可欠であるといえます。福永は近年、RNA-RNA相互作用を超高速に予測するソフトウェアであるRIblastを開発しました。RIblastは先行研究に比べて70倍近く高速であるため、現実的な計算機資源と時間で網羅的にRNA-RNA相互作用を予測する事が可能です。本研究では、このRIblastを利用してlncRNA-RNAの相互作用ネットワークを作成し、グラフアルゴリズムを利用する事で機能未知lncRNAの機能を高精度に推定する事を目的とします。また、RIblastによって予測された相互作用については、進化的保存性や組織特異的発現性、局在情報などを統合したデータベースとして、他研究者に使いやすい形で公開します。

福永 津嵩 (FUKUNAGA, Tsukasa)
  • 早稲田大学
  • 理工学研究院
  • 学振特別研究員(PD)

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