領域略称名： RNAタクソノミ
領域番号 ： 3604
設定期間 ： 平成26年度～平成30年度
領域代表者： 廣瀬 哲郎
所属機関 ： 北海道大学遺伝子病制御研究所
ノンコーディングRNA(ncRNA)が、新たな制御因子として注目を集めている反面、その踏み込んだ作用機構に関する知見は未だ乏しい。ncRNAの配列中には、個々のRNA機能を担う配列・構造モチーフや化学修飾からなる「作動エレメント」が存在し、それを認識して結合するタンパク質と共に「作動装置」を形成している。つまりncRNAの作用機構を理解するためには、この「作動装置」の作られ方と働き方を紐解くこと、さらにその働き方を生理機能に結びつけることが必須である。本研究領域では、明らかになった「作動エレメント」の特徴を指標にして、類似のncRNAを分類することによって、配列と機能が紐付けされたncRNAの新しい分類体系である「ノンコーディングRNAネオタクソノミ」の確立を目指している。
研究項目A01では、ncRNAの作用機構を「作動エレメント」と「作動装置」の詳細な解析を通して明らかにする研究、A02では、個々のncRNA作動装置が担う生理機能を解明し、各ncRNAの「作動エレメント」と生理機能を紐付けする研究、さらにA03では、上記ncRNA機能解析を支援する革新的な技術開発を対象とする。公募研究は、計画研究ではカバーしきれない研究課題や、計画研究との連携によって飛躍的な成果が見込める研究課題を対象とする。新規ノンコーディングRNAの網羅的記載にとどまる提案は対象外とする。具体的には、ncRNA作動装置の生化学・構造生物学研究、生物個体を用いたncRNAの生理機能研究、さらには「ノンコーディングRNAネオタクソノミ」を推進するためのイメージング、生物物理的解析などの新手法開発に関する独自性の高い研究のほか、特に、バイオインフォマティックスを用いて作動エレメントを同定・分類するような試みを強く求めている。上記全般に関して、独自のアイデアで萌芽的研究を展開する若手研究者からの応募を期待している。
研究項目：
A01 ncRNA機能を担う作動エレメントと作動装置の解析
A02 ncRNAの生理機能の解明
A03 ncRNAの機能解析のための新技術開発
応募上限額： 400 万円
採択目安件数： 11 件